2011年10月21日金曜日

円一時1ドル=75円78銭、戦後の最高値更新

帽   子
             西条八十   

--母さん、僕のあの帽子、どうしたでせうね?

ええ、夏碓井から霧積へ行くみちで、

渓谷へ落としたあの麦稈帽子ですよ。

--母さん、あれは好きな帽子でしたよ。

僕はあのとき、ずいぶんくやしかった。

だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。

--母さん、あのとき、向うから若い薬売が来ましたっけね。

紺の脚絆に手甲をした---。

そして拾はうとしてずいぶん骨折ってくれましたっけね。

だけどとうとう駄目だった。

なにしろ深い渓谷で、それに草が背丈ぐらい伸びていたんですもの。

--母さん、本当にあの帽子どうなったでせう?

そのとき傍に咲いていた車百合の花は、もうとうに枯れちゃつたでせうね。

そして、秋には、灰色の霧があの丘をこめ、

あの帽子の下で毎晩きりぎりすが鳴いたも知れませんよ。

--母さん、そして、きっと今頃は、--今夜あたりは、

あの渓間に、静かに雪が降りつもっているでせう。

昔、つやつや光った、あの伊太利麦の帽子と、

その裏に僕が書いたY・Sという頭文字を

埋めるように、静かに、寂しく--。




円一時1ドル=75円78銭、戦後の最高値更新

 【ロンドン=中沢謙介】21日のロンドン外国為替市場で円相場が一時、1ドル=75円78銭まで上昇し、8月19日に同市場でつけた1ドル=75円95銭を上回り、約1か月ぶりに戦後最高値を更新した。


 最高値の更新は、今年に入って3回目となる。欧州の債務危機の解決までに時間がかかるとの見方から、より安全とされる円に資金が流れ込む動きが再び強まっている。

 一段の円高は日本経済に悪影響を及ぼすとして、政府・日本銀行が改めて円売り・ドル買いの市場介入に踏み切る局面も出てきそうだ。

 市場関係者によると、目立った売買材料がないにもかかわらず、23日の欧州連合(EU)首脳会議を控え、瞬間的に円買い・ドル売り注文が膨らんだという。市場参加者の一人は「海外の投機筋が、取引量の少ないタイミングを狙って円売りを仕掛けた」と説明している。その後、円相場は1ドル=76円台前半まで値を戻している。

(2011年10月21日22時38分 読売新聞)

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