2011年12月22日木曜日

都道環状2号線の「マッカーサー道路」(港区新橋―虎ノ門)が、2014年から供用開始


完成後高層ビルを貫く形になる、環状2号建設現場=29日、東京都港区で



都道環状2号線の「マッカーサー道路」(港区新橋―虎ノ門)が、2014年から供用開始される。

 大部分を地下トンネルとし、道路上に超高層ビルを建てるという全国的にも珍しい方式を導入した。15年度には環2全線で工事が完了し、臨海部と都心を結ぶ大動脈が実現する。

 マッカーサー道路は1946年、幅100メートルの大型道路として計画。虎ノ門の米国大使館前を通ることなどから、新橋との間を結ぶ1・35キロの計画区間は、当時の連合国軍総司令部(GHQ)最高司令官の名前が付けられた。

 当初は物流を担う基幹道路として計画されたが、建設予定地に住宅や店舗が密集しており、地元の反対で計画は頓挫。80年代以降、汐留地区と都心を結ぶ道路として計画が見直された。89年には国の制度変更で道路上に建物を建設することが認められ、立ち退きを余儀なくされた住民が高層ビルに優先的に入居できることになり、地元の合意形成が進んだ。

 計画区間の半分以上に上る約800メートルをトンネルとし、虎ノ門側に地上52階建ての超高層ビルを建設。都内では港区赤坂のミッドタウンタワーに次ぐ高さを誇り、35階までは店舗や事務所、上層階はホテルやマンションなどが入る予定だ。

 開通すれば、都心の慢性的な渋滞の緩和も期待される。臨海部と都心を結ぶ「晴海通り」や「外堀通り」などはラッシュ時は飽和状態で、都は「完成すれば、都心部への流入を分散できる」と期待している。

 ◆都道環状2号線=1946年に、戦災復興院によって都市計画決定された8本ある環状線のうちの1本。2015年度に江東区・有明から千代田区・神田までの全長約14キロをつなぐ全線が開通する予定。現在は、港区・虎ノ門―神田間の約8キロ・メートルと、有明―江東区・豊洲間の約1キロが完成している。


【東京新聞】2011年11月30日 朝刊
 ビルを貫くマッカーサー道路 虎ノ門再開発環状2号工事

 都内で初めて高層ビルを貫く形で建設が進んでいる港区虎ノ門の環状2号の工事現場が二十九日、公開された。都内で二番目の高さとなる予定の再開発ビルの地下一階部分を貫通する。ビルを貫通する道路は全国でも大阪市のゲートタワービルに続き二例目。

 環状2号で既に供用されているのは、外堀通りと呼ばれる千代田区神田佐久間町-虎ノ門間と、江東区豊洲-有明間。虎ノ門-築地間はトンネルで、完成すると総延長は十四キロになる。

 虎ノ門の再開発地区は、新橋と虎ノ門を結ぶ通称「マッカーサー道路」(約一・四キロ)の西端。この通りは計画当初、米国大使館前を通る予定だったとされており、連合国軍総司令部(GHQ)のマッカーサー元帥にちなんで名付けられた。再開発地区では、道路の上下に建築物が建設できる立体道路制度を活用した。

 再開発ビルは高さ二百四十七メートルで、鉄骨造り地上五十二階、地下五階、延べ二十四万四千三百平方メートル。事務所や店舗、ホテル、住宅が入る。都内ではミッドタウンタワー(港区)に次ぐ高さ。幅二十~三十八メートルの四車線道路が地下一階部分を通る。

 再開発の総事業費は道路も含めて約二千三百四十億円。

 今年四月に着工し、道路は二〇一四年三月末に開通、ビルは同四月以降に完成予定。ビル内の道路は再開発を手掛ける森ビル(港区)が都の委託を受けて造る。