2011年8月15日月曜日

【米海軍】 空母外交

【朝鮮日報】2011/08/15 10:03:40

 米国、香港とベトナムに空母派遣

 米海軍の空母打撃群部隊が、ベトナム南部沖合いと香港に停泊している。空母ジョージ・ワシントンは13日、ベトナム南部海域に入った。

 米国はジョージ・ワシントンのベトナム海域入りに合わせ、ベトナムの軍・政府関係者を艦上に招待した。米国はこれに先立ち、12日に空母ロナルド・レーガンを香港に寄港させている。

 米国はジョージ・ワシントンによる今回の訪問について「通常のアジア太平洋各国訪問の一環だ」としている。しかし、訪問時期が中国初の空母の試験航行と重なったことから、中国と南シナ海で領有権争いを繰り広げるベトナムを支援し、中国をけん制するのが狙いではないかとの見方が出ている。米国は7月にも海軍艦艇3隻を派遣し、ベトナム海軍と合同軍事演習を行った。

 中国が今月10日、初の空母の試験航行を開始した直後、米国務省の報道官は「中国がなぜ空母が必要かを説明してもらいたい」と述べている。

 一方、新華社によると、10日から大連沖で試験航行していた中国初の空母は14日、5日間の航海を終え、大連造船所に戻った。中国の軍事専門家は、試験航行の期間が5日間にとどまり、航行距離も短かったことから、エンジンや排水ポンプなど基本的な航行装置の点検が目的だったとの見方を示した。




【朝鮮日報】2011/08/15 09:30:22

 中国初の空母、「領土紛争解決」が目的
 解放軍系メディアが主張

【北京=崔有植特派員】 中国人民解放軍の機関紙、解放軍報(電子版)は、中国が初の空母を保有する目的を「領土紛争の解決」と明示した。これまで中国国防省や官営メディアが、周辺国の中国脅威論に配慮し「科学研究、訓練用だ」「実戦で戦力化するには10年以上かかる」などと控えめの説明を行ってきたのとは好対照だ。

同紙の高級記者、郭建躍上級大佐は寄稿で「空母を軍事的用途で使用すべきだ」と主張した。この文章は同紙の紙面には掲載されなかったが、中国のインターネット上で転載され、反響を呼んでいる。台湾、香港など中華圏のメディアも郭上級大佐の寄稿を大きく報じた。

■空母なくして「大洋海軍」なし

郭上級大佐の発言は、空母、中国版イージス艦、潜水艦などの護衛艦艇、艦載機などで空母艦隊を編成するのに100億ドル(約7700億円)前後の費用がかかり、年間維持費も4億‐5億ドル(307億‐384億円)を要するのに、単なる展示用として空母を建造したはずはないと主張するものだ。郭上級大佐は「空母は海上を移動する飛行場であり、本格的に軍事任務を遂行するためのスーパー戦艦だ。われわれの領海が侵犯された際に空母が出動するかどうかは、わざわざ問うまでもなく自明だ」と書いた。

 中国は南シナ海の南沙諸島でベトナム、フィリピン、インドネシアなど東南アジア各国と領有権を争っているほか、日本とは東シナ海で尖閣諸島をめぐり対立している。

郭上級大佐は、空母を基礎として、全世界に軍事的影響力を拡大する「大洋海軍」の戦略についても隠さず「空母を建造し、海南島や上海周辺の近海を守るというのは浪費だ。空母はその実体よりも大きな威嚇効果があり、地理的制限もないため、近海、遠洋を問わず影響力を発揮できる」と述べた。郭上級大佐はまた「空母がなければ、本土から遠く離れた場所で制空権を確保したり、存在感を確保したりすることはできず、大洋海軍という言葉も成り立たない」と主張した。

実際に南沙諸島の場合、中国から遠く離れており、戦闘機が長時間作戦を展開するには限界がある。しかし、中国の空母は作戦半径が500‐800キロとされるため、南沙諸島周辺で武力衝突が起きても、これまでより強硬な対応が可能となる。

尖閣諸島の場合、中国本土から約420キロ離れているが、中国の空母船団が出動できれば、中国が優位に立つ可能性が高い。空母艦載機として搭載が予想されるスホイ33戦闘機は、射程距離120キロの超音速空対艦ミサイルを発射でき、日本、台湾、ベトナムなど紛争相手国には軍事的脅威となる。

■軍部、政府に不満

 郭上級大佐の発言をきっかけとして、中国の文民指導部による軍部への統制力が再び論議の的となっている。中国軍は今月1月、米国のゲーツ前国防長官が訪中した際、ステルス戦闘機「殲20」の試験飛行を実施した。しかし、胡錦濤国家主席はゲーツ前長官との会談で試験飛行について問われた際、慌てた表情を見せたため、事前に試験飛行の事実を知らなかったのではないかとの憶測も生んだ。

軍事問題に詳しい北京の外交関係者も「中国軍部は政府が米国の反発を恐れ、空母建造に予算を思い切って投じないことに少なからず不満を抱いている」と指摘した。

【朝鮮日報】2011/08/15 08:58:11

「空母は領土紛争に投入」=中国軍機関紙

【北京=崔有植記者】 中国人民解放軍の機関紙「解放軍報」が、中国初の空母の用途について「領土紛争の解決のために積極的に投入すべき」と主張した。

これは、初の空母について「科学研究と訓練用」としている中国国防省の公式な立場とは異なるもので、空母を軍事用途で積極的に活用することを目指す軍部の本心を示したものと分析されている。

解放軍報の記者を務める郭建躍大校(大領〈大佐〉に相当)は今月11日、同紙の電子版に当たる「中国軍綱」への寄稿文で「巨額の国費を投じた空母なのに、中国国内向けに建造したわけではあるまい。空母を領土紛争の解決に使用する勇気と意志がなければ、建造しなかったはずだ」と主張した。

中国は南シナ海と東シナ海で、日本やベトナムなどと領有権争いを繰り広げている。