2011年8月14日日曜日

現代を作った9の研究所

(GIZMODO - 08月14日 21:10)
ニコラ・テスラの研究所(コロラド)

蛍光灯やテスラコイル等を発明した電気技師であり発明家のニコラ・テスラ。この写真はダブルエクスポージャー、2回シャッターを押して撮影されたもの。1枚はテスラさん、もう1枚はスパークを撮影。

アルバート・ホフマンの研究所
LSDの発明

ジェームス・ワットの屋根裏の作業場
 左遷された時、イギリスのバーミンガム付近の家の屋根裏でアレやコレやと作業していました。そこで作ったのは彫刻等をコピーするマシン。


グリエルモ・マルコーニの研究所

1895年の春、彼が初めて無線電信を送った時の研究が再現されたもの。

マリ・キュリー(パリ)
Latin Quarterというエリアにある研究所。Radioactivity(放射能)という言葉は彼女の発案によるもの。

ジョン・フレミングの蒸気力研究所
 電気のスペシャリストの研究所の動力が蒸気力だった

トーマス・エジソンの研究所
(エジソン&フォード・ウインター・エステート)

ティム・バーナーズ=リーのオフィス
欧州原子核研究機構(CERN)のこのオフィスでWWWの基礎概念となるものを書いていました。

ジョン・ロジー・ベアードの研究所
史上初、動く物体のテレビでの遠距離放送を成功させた彼の机の上はツールが山のようにあります。

【海外事件簿】

【産経】

【海外事件簿】

 日本の美人外交官と公費で密会? 台湾“イケメン外交官”の不倫騒動

2011.8.14 11:49

中国との関係改善を進めつつも、一方では東日本大震災の義援金が7月下旬で約177億円に達し、日本との絆が太い台湾。そんな台湾外交部(外務省に相当)の“イケメン高官”が、駐フィジー代表処(大使館に相当)の代表(大使に相当)だった際、同じく在フィジー日本大使館に勤務していた30代の清楚な日本人美人外交官と密会を重ね、食事代や電話代などで公費を乱用した、との疑惑が浮上。同高官は疑惑を完全否定したものの、結局は代表を辞任し、外交部も“過度な日台友好疑惑”を認めたかっこうで停職処分に。ついには発足したばかりの“汚職摘発庁”廉政署と、監察院に公金横領などの調査を委ねる騒ぎとなって…(台北 吉村剛史)

不倫疑惑噴出

日本の美人外交官との不適切な関係がもとで代表職を辞任し、現在、停職と基本給半額の減給処分となっているのは、外交部秘書処代表回部弁事の秦日新氏(54)。

疑惑は野党・民主進歩党(民進党)の高志鵬立法委員(国会議員に相当)が6月27、28日の2日にわたって報道陣に公表したのが発端だ。

高委員は「秦氏は昨年7月以降密会や食事を公費で重ね、電話の通話記録も多い。度々その日本人女性を公邸に招き入れており、女性の帰国後は日本にまで会いに行っている。現地在住の日本人も台湾人も非常に少なく、フィジーでは周知の事実」と指摘した。

これを受けて台湾の各有力紙も一斉に疑惑を報道、テレビ各局もかなりの時間を割いて検証した。


疑惑の主人公となった秦氏は、連絡業務で台北にいたため、各社の報道を受けて急きょ記者会見し、「特別な関係ではない。また、規定外の公費も使っていない」と釈明に追われた。

会見での代表の説明によると「彼女とは2009年にフィジーで開催された国際フォーラムで知り合った」という。

頻繁に会っていた、という指摘に対し、「彼女は帰国を控えてフィジー情勢のリポートを書くために、時々私の話を聞きにきていただけ。応じたのは、あくまでも職務上の交際で、それにともなう連絡等に使用した公費も規定の範囲内だった」としている。

また今年5月に休暇で日本に行った際にもデートをしていた、との指摘には「会ったのは事実だが、日本に行った目的は電気製品の購入で、彼女には友人として買い物につきあってもらっただけだ」と説明。会見後は早々に姿を隠した。

高官と女性の素顔

 「蘋果日報」をはじめ、「自由時報」「中国時報」「聯合報」など台湾の有力各紙によると、秦氏は06年、駐ニュージーランド代表だった当時、領収書を偽造してワインを大量に購入した、との疑惑で検察から起訴されたが、1、2審とも無罪判決を受けた。

 06年6月にニュージーランド代表から、駐フィジー代表処顧問に異動になったものの、10年10月に同代表処の代表に昇任している。妻子を台北に残しての単身赴任で、娘は台湾大学13美人の1人としても知られている。


一方、秦氏のお相手として噂になった在フィジー日本大使館勤務の30代の日本人女性外交官は独身といい、現地では「誰もが知っているほどの評判の清楚な美人だった」という。

日本の外務省によると、確かにこの女性は2009年4月から2年間の任期付き職員(三等書記官)として同大使館で勤務していた記録がある。しかし、任期の満了にともなって今年3月末に帰国し、退職した。

その後については不明だが、台湾では「妊娠している」とのウワサも流れており、「真偽はともかく、尋常の関係でないことを状況が証明している」と報道などで指摘されている。

「帰国を控えて…」という状況は、秦氏の説明通りだが、実際にどのようなリポートを提出したのかも不明だ。

騒動の果てに

 しかし、この公費不倫疑惑は、疑惑のままではとどまらなかった。

その後の高氏の指摘で、秦氏が公費で女性に高額な真珠のネックレスを贈っていた疑惑も浮上。「もみ消しをはかっているのではないか」との指摘を受けた外交部では、本格的な聞き取り調査などを展開し、秦氏は公費で女性と2人だけの食事を20回以上行っていたことを突き止めた。

また、女性との電話が1カ月で50回以上に達していたことや、女性が公邸に度々招かれて宿泊していた事実も警備記録などから確認。さらには単身赴任の秦氏の官邸の浴室の修理にあたった秘書が、排水口に女性の長い毛髪がつまっているのを確認したことも明らかになっている。


高氏が指摘した真珠のネックレスも、交際費6000ドル(約47万円)を投じて購入していたことが発覚。秦氏は「フィジー高官夫人に贈るつもりですべて保管していた」としたが、外交部の調査では、購入されたネックレス4つのうち、ひとつが明らかに他の3つと形状が違い、後で再購入して補填(ほてん)された疑惑も。

また秦氏は単身赴任にもかかわらず帯同家族手当も総額で60万台湾元(約162万円)以上も受けとっていた事実や、秦氏の台北滞在中、日本に戻った女性との国際通話記録が5日間で7000台湾元(約1万9000円)にのぼっていたことも確認された。

こうした中、秦氏は数々の疑惑に対し「女性とは仕事以外の関係は一切ない」と完全否定しつつも「個人的な問題で世間を騒がせ、外交部のイメージを損なった」として駐フィジー代表代表の辞職願を提出し、外交部は7月21日、辞表を受理した。

その後、外交部では部内調査を精査した結果、秦氏の行為にも問題があったことを認め、27日、秦氏の停職処分と、給与は基本給の半額とし、発足したばかりの廉政署と、監察院に対し、公金横領と日本人女性との外交の領域を越えた不適切な関係について調査を委ね、台北地方検察署は調査を開始。台湾各紙は、起訴や懲戒免職の可能性も指摘している。

騒動の余波か、秦氏の駐ニュージーランド代表時代の領収書偽造問題は、最高裁が高裁に差し戻していたが、8月12日、公務員登載公文書不実罪で懲役6カ月(実刑)の逆転有罪判決が下され、控訴が注目される事態となった。


背景に浮かぶ影

秦氏の領収書偽造疑惑が発覚したのは民進党政権時代。当時、駐フィジー代表処顧問に異動し、2008年の馬英九政権発足後の、10年10月に同代表処の代表に返り咲いた経歴や、今回、野党議員からスキャンダルが暴露されたことでもわかるように、秦氏は与党・中国民党(国民党)中枢に近い外交部高官とされている。

今回、外交部が監察院とともに調査を委ねた廉政署は、今年7月20日、法務部(法務省に相当)が、公務員の汚職を専門に摘発する官庁として発足させたばかりで、そもそも国民党主席の馬英九総統が、香港やシンガポールの事例を参考に、トップダウンで設置を決めた機関だ。

当初は総統選が行われる来年1月に発足の予定だったが、半年前倒しで発足された背景は、再選をめざす馬総統が早期に実績アピールを狙ったため、と目されている。

その最初に注目される事案が、秦氏の問題とは、何とも皮肉な結果となったわけだが、台湾のマスコミ関係者の間には「この騒動の水面下には政争だけでなく、省庁間の争いの気配が濃厚に感じられる」との異論も根強い。

廉政署は独自の捜査権を持ち、公務員だけでなく、総統や立法委員(国会議員に相当)など政治家も取り締まりの対象としている機関だが、検察や法務部調査局の捜査機関と機能が重複するため、無駄を指摘する声や、独立した組織でないため、捜査の中立性を疑う意見もある。

事実、最高検に置かれた特偵組(特捜部)の中からは「これは第2特偵組ではないのか」との疑問や反発が漏れていた、と指摘する関係者も。

秦氏の不倫騒動が浮上した直後の6月30日には李登輝元総統が外交機密をシンクタンクなどに流用したとして、特偵組に起訴され、李氏の応援を得ている野党側が「この時期の起訴は政治的意図を感じる」との疑念を示す中、馬総統は「私は就任以来、司法の独立を尊重してきた」と説明に追われる事態となった。

一部消息筋は「あくまでも推測」としながらも、「単純に政争とみるよりは、功をあせった政治が産み出した省庁間の争いに、逆に政治が巻き込まれた可能性もある」と指摘している。

総連系歌劇団が政治色もみ消し パンフレットの訳文から日本非難と北礼賛を抹消

【産経】
 総連系歌劇団が政治色もみ消し パンフレットの訳文から日本非難と北礼賛を抹消

2011.8.13 20:32

 民主党北海道総支部連合会(北海道連)が在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)傘下の金剛山歌劇団公演に税金が原資の政党交付金を使って広告を出していた問題に絡み、6月に別の地域であった公演のパンフレットに朝鮮総連側が日本を非難し、北朝鮮を礼賛する文章をハングルで記しながら日本語訳からは削除していたことが13日、分かった。歌劇団の政治性の強さに対する批判を受け、日本人向けにだけ政治色をもみ消そうとした可能性が高い。

 パンフレットに日本の批判や北朝鮮礼賛が記されていたのは、6月14日に名古屋市であった「金剛山歌劇団愛知公演」。産経新聞が入手したパンフレットには、公演実行委員長となっている朝鮮総連愛知県本部委員長名で主催者あいさつが記されていた。

 ハングルのあいさつでは、東日本大震災の被災者を見舞う言葉の後に《震災で甚大な人的、物的被害に遭った同胞に対して日本政府は共和国(北朝鮮)への経済制裁を延長し、高校無償化から朝鮮学校を除外している》と日本の政策を非難。続けて《しかし、いつもわれわれを勝利に導いてくださる領導者と栄光の祖国がある》と金正日総書記と北朝鮮をたたえている。

併記した日本語文では、被災者へのお見舞いや公演協力への感謝だけが訳され、日本非難や北朝鮮礼賛は抜け落ちていた。

 金剛山歌劇団公演をめぐっては、舞台での政治的発言が問題視され、北朝鮮による日本人拉致事件やミサイル発射をきっかけに後援を辞退する自治体が相次いだ。愛知公演でも愛知県が平成19年から後援をとりやめている。こうした流れの中、朝鮮総連関係者向けには政治的メッセージを発信する一方、日本人向けには政治色がないことをアピールする“二枚舌”が使われたとみられる。

 北海道連の広告問題では、政治性を巧みに隠しながら維持し続けている公演を、民主党側が税金で支援していたことになり、改めて批判を集めそうだ。

 金剛山歌劇団は「担当者が不在でよく分からない」としている。

【夕刊フジ】
 菅民主また新たな“売国疑惑”!“税金”で総連系歌劇団に広告

2011.08.13

2010年の金剛山歌劇団札幌公演のパンフレットに掲載された民主党北海道連の全面広告【拡大】

 民主党北海道総支部連合会(北海道連)が2001~10年にかけ、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)傘下の金剛山歌劇団(東京都小平市)の札幌公演パンフレットに、税金が原資の政党交付金を使って広告を出していたことが12日、産経新聞の調べで分かった。民主党が間接的に朝鮮総連を支援してきたことになり、菅直人首相ら複数の民主党議員側が拉致事件容疑者の長男が所属する政治団体の周辺団体に献金していた問題に続き、北朝鮮側との密接な関係が浮上した。

 政党交付金使途等報告書や関係者によると、北海道連は01年から10年まで05年をのぞき、歌劇団の札幌公演を主催する「実行委員会」に毎年5万~10万円を広告料として支出。使途等報告書に記載された実行委員会の所在地は朝鮮総連北海道本部と同じ住所だった。

 支出総額は計50万円だが、歌劇団の膨大な収益は朝鮮総連の重要な資金源と指摘されており、北海道連が広告を出したことで、他の企業などの広告主にも影響を与えた可能性がある。

 10年10月に開かれた札幌公演のパンフレットには、1ページ目に民主党の全面広告が載っており、「歓迎 金剛山歌劇団」という文字の下に、北海道連と道議会の民主党会派の名前が記載されている。パンフレットは非売品で、広告出稿団体などに対してのみ提供されているという。

 公安関係者は「当然、広告としての効果はあまりなく、広告費は歌劇団を支援するための支出という側面が強い」と指摘している。

10年のパンフレットには、民主党の有力支持団体の連合北海道や北海道教職員組合(北教組)なども広告を出していた。

 民主党北海道連の保村啓二組織局長は政党交付金からの広告費支出について、「優れた海外の芸術を支援する目的で、継続して支出してきた。北朝鮮を支援するという意識はない」としたうえで、「(9月に予定されている)今年の札幌公演への支出については今後、判断する」と話した。朝鮮総連北海道本部と金剛山歌劇団からは、取材への回答は寄せられなかった。

 ■金剛山歌劇団 
 朝鮮民族の音楽や舞踊の普及を目的に1955年に在日朝鮮中央芸術団として設立。74年に現在の名称に変わった。北朝鮮は「唯一の海外総合芸術団体」と位置付け、74年に最高の栄誉とされる金日成勲章を授与したとされる。ホームページによると、団員数は70人で、朝鮮学校卒業生らがメンバー。日本や北朝鮮のほか、韓国、中国、ロシアで公演を行っている。


【夕刊フジ】
【民主と北朝鮮】菅「献金先」と総連関連ビルの“怪しい関係”
2011.08.05

 菅直人首相をはじめとする民主党の国会議員や地方議員の資金管理団体などから、北朝鮮による日本人拉致事件で国際手配されている森順子容疑者と、よど号ハイジャック犯の故田宮高麿元リーダーを両親に持つ長男が所属する「市民の党」など関連団体に、計2億496万円もの政治献金がなされていたスキャンダル。

「市民の党」がある事務所周辺でも不可解な事象が垣間見えた。

 事務所は、国会に近い東京・平河町のビルにある。1階部分が駐車場の9階建て。もともと、朝鮮総連の大物商工人の持ちビルで、競売で第三者に渡った形になっているが、今も大物商工人の縁戚関係者が、8階と9階で不動産関連会社など3社を運営している。

 「大物商工人はかつて『北への送金王』と言われた。1982年の金日成主席の70歳の誕生日には、1億円もの祝賀金を送っている。90年ごろ、大物商工人はギフト会社の女性社長への数千億円もの融資トラブルに巻き込まれ監禁され、94年に新宿の路上で射殺された。『市民の党』の前身団体がビルに入居した1カ月後だ」(公安筋)

 北朝鮮と関連深いビルに事務所があることについて、「市民の党」のS代表は「ビル内の他のフロアの人々とは、まったく交流も付き合いもない。単なる偶然」と関係を否定している。

 ただ、これも偶然なのか、ビル内の総連関係者は「在日本朝鮮商工会中央常任幹事会」代表だった2004年当時、会として民主党のパーティー券を30万円分購入(違反ではない)していた。

 自民党は「菅首相拉致関係献金疑惑プロジェクトチーム」(PT)を立ち上げて、徹底調査している。党関係者はいう。

 「菅首相と『市民の党』のS代表は30年前からの付き合い。初当選の選挙も手伝ってもらった親密さだ。S代表は民主党議員100人の選挙応援をするなど、菅民主党と『市民の党』はツーカーの仲。ところが、国会で北朝鮮との関係を追及されると、菅首相は『そういう団体と承知していなかった』と答弁した。あまりにも白々しい」

 菅首相と「市民の党」の親密さの証拠は他にもある。05年6月には都議選候補の一本化で、06年10月には衆院補欠選挙の推薦で、菅首相とS代表は共闘する記者会見などを開き、握手を交わしているのだ。

 S代表は、産経新聞(1日付)の取材に対し、「10年ほど前に北朝鮮に行き、よど号の人間や娘たちと会った」「そうした縁もあって、(よど号犯の田宮元リーダーの)長男が(日本に)帰国してきてからつながりがあった」と答え、今年4月にM氏を東京・三鷹市議選に擁立した背景を明らかにしている。

 こうした実態を、菅首相は本当に「承知していなかった」のか。私は、菅首相と朝鮮半島の知られざる関係を追った。(ジャーナリスト・田村建雄)

戦後66年 政治の「脱貧困」をめざせ(8月14日付・読売社説)

明日8月15日、66回目の「終戦の日」を迎える。

3・11の東日本大震災を境に、戦後の「平和と豊かさ」は大きく揺らいでいる。だが、このような危機の局面においてこそ、激動の昭和史から学ぶべきことも多いはずである。

 現在使われている「復興」という言葉には、成功した「奇跡の戦後復興」のイメージが重なる。もっとも、今の日本に終戦時のような安堵感や解放感はない。震災から既に5か月を経たが、復興への歩みは遅れている。この国難を乗り越えていくためには、強力な政治のリーダーシップが求められる。しかし、今日の政治の劣化は深刻だ。

 「政治の貧困」という点では、むしろ戦前との共通点も少なくない。昭和初期の1920年代後半、政友会と民政党の2大政党は激しい政争を繰り返した。政治に対する国民の信頼が失われ、政党政治は崩壊した。

 30年代には10人が入れ替わりで首相を務めた。軍に押され、戦争への流れを止められなかった。戦後、長く続いた自民党政権は行き詰まり、国民は2年前、民主党に政権を託した。

 しかし、子ども手当などに象徴される財源を欠いた民主党の人気取り政策は、次々と破綻した。政権運営の未熟さへの失望感が広がり、政治不信は深まっている。民主党政権でとりわけ懸念されるのは、国家の基本となる政策の軸が大きく揺れることだ。菅首相は、唐突に「脱原発依存」を提唱し、混乱を招いた。

 戦前・戦後を通じて、資源エネルギー戦略が、国家の浮沈に大きく関わっていたことを忘れてはならない。

 エネルギー戦略の失敗

 1941年7月、旧日本軍は蘭印(オランダ領東インド、今のインドネシア)の石油資源などを狙って南部仏印(フランス領インドシナ)に進駐した。反発した米国は対日石油禁輸の制裁措置をとった。当時、日本は石油輸入の90%を米国に依存していた。禁輸措置は日本にとって大きな誤算で、日米開戦の伏線ともなった。

 戦後は、石炭産業に資金を集中的に投入してエネルギー不足を補い、復興の足がかりとした。その後の石油への転換と原子力発電の導入で経済は大きく発展した。

 2年前には、鳩山首相が温室効果ガスの排出量を「2020年までに1990年比で25%削減する」と国際社会に公約した。十分な議論もなく国際公約したこと自体に問題があったが、温室効果ガスを大胆に削減するなら、火力発電を減らし原発依存を深めることが大前提だったはずだ。

 しかし、今や温室効果ガスの問題は、忘れ去られてしまったようだ。大切なエネルギー問題が、その時々の「空気」で決められるようなことがあってはならない。

 軍は「責任回避の楽園」

 震災後の被災地の人々の冷静沈着な行動は世界の称賛を集めた。各国は、救助隊や医療チームなどを被災地に派遣して、温かい支援の手を差し伸べてくれた。

 一方、原発事故への対応と情報開示をめぐる政府の混乱は、国際社会の不信と批判を招くことにもなった。日本の「政治の漂流」ばかりが際立っている。

 菅政権は当初、閣僚らをメンバーとする、被災者支援や原発対応などの対策本部やチームを次々と設置した。だが、各本部の責任や権限は明確でなく、政府内でいくつもの指示や情報が錯綜(さくそう)して、各府省を混乱させた。

 さらに、首相の指導力不足と、場当たり的で稚拙な政治手法が野党側の協調機運を阻害した。与野党連携は失敗し、政争が復興に向けた体制づくりの足を引っ張ることになった。

 読売新聞の「昭和時代」の連載で、山内昌之・東大教授は「軍人たちは非常に曖昧な責任回避の楽園にいた」と指摘している。

 例えば、日米戦争の転換点となった42年6月のミッドウェー海戦は、日本海軍の司令長官や参謀長が大局を見誤ったために空母4隻を失って大敗した。しかし、敗因は分析されず、司令長官らの責任も問われなかった。この「責任回避の楽園」の愚を繰り返してはなるまい。

 政治の責任が厳しく問われている今、「政治の貧困」から脱することこそ急務だ。首相退陣後は、まず与野党が結束し、震災復興を強力に進めていくべきである。

(2011年8月14日01時21分 読売新聞)

【中国国際放送】

 米、オバマ大統領の指導力への不信感が広がる

2011-08-13 16:02:52 cri [A A A]

 経済回復への見通しが立たないことや高い失業率で、アメリカには、経済が再び衰退に陥るのではないかという懸念が広がっています。その中で、オバマ大統領の指導力が疑われ始め、再任が危ぶまれるのではという空気が広がっています。

 アナリストは「選挙まで後1年3ヶ月あるが、経済の低迷、国民の政治機能への憂慮から、オバマ大統領の政治家としての前途は楽観視出来ないだろう。特に、国債上限の交渉の難航、国債格下げなどで、アメリカを復興に導く力があるかどうか多くの国民がオバマ大統領を疑い始めるようになった。」と指摘しました。

 最近行われたアンケート調査の結果によりますと、オバマ大統領の支持率は4割前後に留まっており、先月より5ポイント下がりました。73%のアメリカ人は「アメリカは誤った軌道に乗ってしまった」と見ています。