2011年8月4日木曜日

【東海テレビ】 放送事故



じえいたいさんありがとう。 うみより

SAPIOは埋もれたエピソードを発掘

今回は宮城県石巻市立大川小学校で行方不明者の捜索に携わった自衛官たち

石巻市立大川小学校は、児童108人のうち74人が死亡または行方不明となった。

学校周辺や校舎内では、自衛隊による必死の不明者捜索が行なわれ、瓦礫や汚泥が取り除かれた。

震災から約1か月後。
「すいません!」

 4月6日、大川小学校近くの追波川河川運動公園に設けられた宿営地内を歩いていた第14戦車中隊(岡山)の石井宣広3曹は、突如、背後から声を掛けられた。

 声の主は、ワンピースを着た小さな女の子だった。

少女は、振り向いた石井3曹にこう言った。
「これ、読んでください……」

 石井3曹に封筒を渡した少女は、名前も告げずに走り去っていった。

少女は、母親と思しき女性の運転する車でやってきて、偶然近くを歩いていた石井3曹に手紙を渡したのである。

 そこには、覚えたてのたどたどしい文字でこう綴られていた。


〈じえいたいさんへ。 げん気ですか。 

つなみのせいで、大川小学校のわたしの、おともだちがみんな、しんでしまいました。でも、じえいたいさんががんばってくれているので、わたしもがんばります。 

日本をたすけてください。 いつもおうえんしています。 

じえいたいさんありがとう。  

うみより〉

 石井3曹は込み上げるものを必死で堪えた。

発災から1か月が経とうとしており、疲れもたまっていた

しかし、あの手紙で、『明日からも頑張るぞ!』と皆、勇気が湧いてきたのです。


 その後、この手紙は第14旅団長・井上武陸将補の陣取る女川の指揮所に届けられ、たちまち各派遣部隊に伝わった。


 井上旅団長は言う。
「手紙を見た時は、もう体中の血が逆流するほどの思いでした。『よし、どんなことがあっても全員を捜し出すぞ!』という思いが漲ってきましたよ。うみちゃんは、どんな思いでこの手紙を書いてくれたんだろうと思うと……」

 少女が自衛隊に寄せた『日本をたすけてください』という切実な祈りに全員が奮い立った。

中には、手紙のコピーを手帳に挟んで災害派遣活動に励む隊員もいた。

同県利府町の加瀬沼公園に宿営地を設営した北海道の第1高射特科群のある中隊指揮所にも、この手紙のコピーがボードに貼り付けられた。

 震災から49日目にあたる4月28日、飯野川第二小学校の体育館で、大川小学校の犠牲者の合同慰霊祭が営まれた。

祭壇には74の可愛らしい児童の顔写真が並んだ。その中には、いまだ行方不明の6人の児童の写真もあった。

 その間も、第14旅団の隊員たちは、うみちゃんの手紙を胸に、行方不明の児童を捜し続けていた。
※SAPIO2011年8月17日・24日号

もう日本で事業はできない? 企業の半数が円高での産業空洞化を懸念

Business Media 誠 - 08月03日 19:20)

原発事故やそれにともなう電力不足、1ドル=80円を超える円高による労働コストの上昇など、日本企業を取り巻く環境は厳しさを増している。こうした状況下、企業の海外進出などで産業の空洞化が進み、国内経済活動が低下することが懸念されている。 【表:海外流出が加速する要因、ほか】  

帝国データバンクの調査によると、国内企業に「今後の日本の産業空洞化に対する懸念の有無」を尋ねたところ、「ある」とした企業は76.5%と、「ない」の3.6%を大きく上回った。

「ある」の割合を業種別に見ると「製造」が80.8%と最も高くなっており、地域別ではトヨタ自動車の本社がある「東海」が81.7%と最も高くなっていた。  

自地域からの流出先として目立つ国・地域を聞くと、「海外」(35.2%)と「国内」(35.1%)がほぼ同じ割合だった。

具体的な海外の流出先では、「中国」が56.9%と断トツで、「インド」(10.9%)や「韓国」(8.3%)、「台湾」(5.8%)が続いた。

流出先はアジアが中心で、欧米への流出は1.6%にとどまった。  

一方、国内の流出先では「近畿」が12.6%と最も多かったが、「九州」が11.7%、「東北」が10.0%、「南関東」が9.7%と上位はそれほど差はなかった。

●海外流出懸念要因、トップは「円高」  

海外流出が加速する懸念要因を尋ねると、トップは「円高」で49.2%。以下、「人件費が高いため」が39.5%、「電力などエネルギーの供給問題」が37.9%、「税制(法人税や優遇税制など)」が28.3%、「取引先企業の海外移転」が26.5%で続いた。

 個別の声では「輸出産業主体の日本の産業構造からみて、国益維持や企業発展をさせるには円高解消以外に道はない」(工作機械製造、愛知県)、

「円高傾向が落ち着かないことには、どうしても海外流出による国内の空洞化は避けられない。政府の介入が最も求められている時ではないだろうか」(石油化学品製造、山口県)などが寄せられた。  

アンケートによる調査で、対象は1万1006社。調査期間は7月19日から31日。