【SAPIO】2011年10月26日号
井上和彦が解説
北朝鮮は総兵力120万人、総人口の5%近くが現役軍人とされる
GDPの約14%を軍事費に充てている(日本は0.9%)。
ミサイル以外にどのような兵器を持っているのだろうか。
陸軍の兵力は約100万人。
旧ソ連製T62あるいはT54/T55といった旧式戦車が主力で約3500両保有
一部T72など保有しているが、ロシアが輸出用に性能を低下させた“モンキーモデル”
海軍は約650隻の艦艇を保有。
総トン数は10.7万t 1隻あたり、165トン(平均)
海上自衛隊が143隻で44.8万t
コルベット級1500トン 3隻 4500トン
小型哨戒艇や高速ミサイル艇など約300隻、 約3万トン
小型潜水艦約60隻、 約3万トン
強襲上陸用のエアクッション艇 約130隻など 約4.2万トン
航空戦力は作戦機が約620機。
大半は旧ソ連製のミグ21やミグ19
ミグ29戦闘機(35機)
An2輸送機。機体は時代後れの布張り複葉プロペラ機だが、航続距離は約1000kmで、12名の特殊部隊を輸送することができる。しかも超低空を飛行するため対空レーダーに探知されにくく、地上すれすれの匍匐飛行で特殊部隊を韓国領内に送り込むことができる。いわば北朝鮮の“ステルス機”だ。
潜水艦
ロメオ級潜水艦、サンオ級小型潜水艦およびユーゴ級潜水艇を合わせて約60隻を保有。
これらは、対艦攻撃という潜水艦本来のミッションには旧式すぎて使えないが
、北朝鮮は小型潜水艦を主として特殊部隊を韓国領内に深く潜入させるための輸送に用いている。
旧式といえども北朝鮮の潜水艦が、武装工作員の輸送に使われると“最強兵器”に早変わりするのだ。
例えば、これらの小型潜水艦が武装工作員を乗せて原子力発電所が所在する日本海側の海岸にやって来れば大変なことになる。海上警備を担う海上保安庁の巡視船には対潜能力は一切なく、海保のみの警戒網は簡単に突破されてしまうからだ。
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