政治家の異性関係、不問のはずが…仏で報道合戦
【パリ=三井美奈】フランスの次期大統領選最有力候補だったドミニク・ストロスカーン国際通貨基金(IMF)専務理事(62)が性的暴行容疑で米国で逮捕された事件について、仏メディアの報道合戦が激しさを増している。
伝統的に政治家の異性関係は不問にする同国では異例だ。
仏テレビ各局は連日、ニューヨークで事件現場のホテルや裁判所前から生中継で事件を報じている。リベラシオン紙は、ストロスカーン容疑者が先月末のインタビューで「私は女性好き。だから何なんだ」と開き直った逸話と共に、ホテルの宿泊費が1泊3000ドルだったことなどを詳報。国営テレビ「フランス2」は被害者の実名を明かした上で自宅を訪ねるなど、過熱報道も目立つ。
(2011年5月18日01時21分 読売新聞)
逮捕のIMF専務理事、孤島の独房に収容
【ニューヨーク=柳沢亨之】ニューヨークで女性従業員に性的暴行を加えたとして逮捕された国際通貨基金(IMF)専務理事のドミニク・ストロスカーン容疑者が16日、市内のイーストリバーに浮かぶ孤島、ライカーズ島の拘置所に収容された。米メディアが伝えた。
金網に囲まれた約1・7平方キロの同島は未決拘置者ら約1万数千人を抱える全米最大規模の収容先となっている。米CNNによると、専務理事が収容されたのは独房で3メートル×4メートルの広さという。
(2011年5月17日19時51分 読売新聞)
IMFトップ:ファーストクラスの席で離陸数分前の拘束
2011年5月18日 0時43分
ロイター通信などによると、ストロスカーン専務理事は13日、米ニューヨーク・マンハッタン中心のフランス系高級ホテル「ソフィテル」の28階にあるスイートルームに泊まった。翌14日昼、女性従業員(32)が清掃のため入室し、寝室のドアを開けたところ、裸の専務理事と鉢合わせに。女性は退室しようとしたが、検察側によると、専務理事は後を追いかけ、胸をつかんだり服を脱がせようとするなどしたという。
専務理事は直後にチェックアウトしたが、携帯電話を置き忘れたことに気付き、約3時間後にホテルに電話で問い合わせた。捜査を始めていた警察の指示でホテル従業員が「届けます」と告げたところ、専務理事は「(ニューヨークの)ケネディ国際空港に持って来てほしい」と答えた。
空港当局の捜査員が急行し、午後4時40分ごろ、パリ行きのエールフランス航空機のファーストクラス席に座り、出発を待っていた専務理事を拘束した。離陸まで数分のタイミングだった。
AFP通信によると、検察側は、急ぎ足でホテルを立ち去ろうとする専務理事とみられる男のビデオ映像があると指摘している。専務理事が逃げたことを印象づけたい考えとみられるが、専務理事の弁護士は「急いでいたのは昼食の約束があったため」と反論、「フライトも事件前に予約されている。あわててホテルを出て空港に向かったというのは、事実無根」と徹底抗戦の構えだ。
専務理事を巡っては、08年に部下に性的関係を迫った疑いについてIMFが調査したほか、仏人女性ジャーナリスト(31)が今月16日になって「02年のインタビュー時に暴行を受けた」と告訴の意向を表明した。再浮上してきた“過去”への対応にも追われそうだ。【服部正法】
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