2012年2月5日日曜日

【空自佐渡分屯基地】 日本海にらむガメラレーダー


妙見山山頂(標高1042メートル)に設置されたガメラレーダー。晴天でも吹きたまった雪の除雪をブルドーザーが行う。海の向こうには北アルプスの山々が望めた=新潟県佐渡市

【産経】2012.2.5 15:12
【探訪 防人の風景】新潟・佐渡 日本海にらむガメラレーダー

 新潟県佐渡市の大佐渡山地。雪深い山の頂に半円形のレーダーサイトが日本海に向かってにらみをきかせていた。航空自衛隊・佐渡分屯基地の通称ガメラレーダー(固定式警戒管制レーダー)だ。全国4カ所に配備されたうちの一つで、弾道ミサイルといった新しい脅威にも対応できる。

 「冬季の山頂付近はマイナス10度以下、風速20~30メートルにもなる。毎日が台風と同じ状態です」と第46警戒隊長の寺川清司2等空佐が話す。

 全国28カ所に設置されたレーダーサイトの中で、もっとも過酷な任務地とされる。

 山頂地区は無人だが、落雷による故障も多く、毎日の保守が欠かせない。点検のため山頂地区と庁舎地区の間の約7キロの除雪を入間、百里基地からの応援部隊である中部航空施設隊の約20名が担う。中間地点の宿泊施設に交代で泊まり込みながらの除雪作業が、雪解けの4月下旬まで続く。

 「ブルドーザーの運転席は数年前まで吹きっさらし。南極観測隊のようないで立ちでした」と有川秀信2曹(現航空中央業務隊)は当時を振り返る。

今では屋根が付いているが、滑落と雪崩の危険が隣り合わせなのには変わりない。雪崩に巻き込まれ命を落とした隊員もいる。「彼らの命がけの除雪がなければ任務は遂行できない」と寺川2佐は断言する。

 大陸側から見ると、日本列島の要に位置する佐渡島。日本海に向かってにらみをきかせるレーダーは、自然と闘う防人たちによって守られている。

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