2012年1月9日月曜日

【ホルムズ海峡】 迂回パイプラインが6月に稼動

【ブルームバーグ Bruce Stanley、Ayesha Daya】
 ホルムズ迂回油送管足踏み 270の問題山積、4月まで準備整わず

アブダビの原油パイプラインプロジェクトのメーンターミナル拠点を示す看板=5日、オマーン湾に面したUAEのフジャイラ首長国(ブルームバーグ)

 ホルムズ海峡を迂回してアラブ首長国連邦(UAE)から原油を運ぶためのパイプライン建設が足踏みしている。

 パイプラインの建設には270もの問題があり、完成時期を遅らせる要因になっている。総工費約2540億円の同パイプラインによる輸送計画は早くても4月までは準備が整わない。同計画の前責任者は2009年5月に、UAEの盟主アブダビ首長国が11年1月をめどにホルムズ海峡の外からの原油積み出し開始を目指していると説明していた。

 パイプラインが完成すればUAEはホルムズ海峡が封鎖された場合にも日量1500万バレルを輸送できる。同海峡は、世界の原油の5分の1が通過する。

 米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)によれば、最も狭い21マイルの地点を1日当たり平均4隻のタンカーが航行。石油輸出国機構(OPEC)最大の産油国であるサウジアラビアをはじめイラク、クウェート、UAE、カタール、イランの原油はすべて同海峡を通過して運ばれ、昨年はその量が1日当たり1700万バレルに達した。イランの核開発をめぐる欧米の対イラン制裁を機にイランが同海峡を封鎖する可能性が高まっている。

ドバイのコンサルティング会社、マナール・エナジー・コンサルティングのアナリスト、ロビン・ミルズ氏は「このパイプラインはすべてのアブダビ産原油に相当する莫大な原油を運ぶことができる。重要な意味を持つインフラ施設であり、計画が完了していないということには注目すべきだ」と述べた。

 パイプラインの保有者であるアブダビ首長国政府系の国際石油投資会社(IPIC)の当局者は、ブルームバーグによる3日時点での問い合わせに対し、いつ計画が再開されるか明らかにしなかった。建設を請け負っている中国石油工程建設(CPECC)と親会社である中国石油天然気集団(CNPC)も取材に応じなかった。

 一方、独立系石油アナリストのカメル・アルハラミ氏は電話インタビューで、ホルムズ海峡が封鎖された場合、同パイプラインが稼働したとしても原油価格高騰を抑制できないとの見方を示した。

ペルシャ湾からの石油積み出しができなくなることを理由に挙げた。ブレント原油はイランがホルムズ海峡封鎖を警告してから1バレル=10ドル上昇している。


【AFP】2012年1月09日

 アラブ首長国連邦のエネルギー相の話

アラブ首長国連邦によって建設が進んでいる、ホルムズ海峡を迂回する石油パイプラインが6月にも稼動を開始する見通しとなっている。この石油パイプラインは、アラブ首長国連邦で採掘された石油をオマーン湾の海岸まで運ぶものとなっている。

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