2011年10月31日月曜日

【東芝】 防衛省を民事控訴

 防衛省
 ポッドと伝送システムの試作を123億円 東芝と契約
 F-15の機体改修       63億円 三菱重工

 〇_時系列

 2010年
 9月22日 東芝が防衛省へ「納期猶予」の申請
10月01日 防衛省が「納期猶予不承認」を公表

 2011年
 2月    東芝に契約解除を通知
 3月    違約金12億円を東芝へ請求
 7月    東芝が93億円を防衛省へ支払うように東京地裁へ民事控訴


【東京新聞】2011年10月31日 06時59分
【社会】 偵察機改修 契約解除 東芝、93億円求め提訴 防衛省も訴訟検討

 防衛省からF15の偵察機への改修事業を受注した東芝(本社・東京)が、一方的に契約を解除されたとして、防衛省に93億円の代金の支払いを求める訴えを東京地裁に起こしていたことが分かった。

 防衛省側は、改修の失敗を理由に「支払う必要はない」と反論する一方、東芝に違約金などの支払いを求める提訴を検討している。防衛省と防衛産業の主要企業の間で泥沼の争いに発展する見通しとなった。 (編集委員・半田滋)

 防衛省は現在のRF4E偵察機の老朽化を受け、F15を偵察機に改修することにした。

 F15の機体下部に、電波で探知するレーダーポッドと撮影機材を入れた光学・赤外線ポッドをつり下げ、撮影した各種画像を地上にデジタル伝送するため、二〇〇七~〇九年度、ポッドと伝送システムの試作を123億円で東芝と契約。これを搭載するための機体改修を63億円で三菱重工と契約し、既に改修を終えた。

 しかし、防衛省によると、同省が求める性能を満たす光学・赤外線ポッドの開発が期限までに終わらず、今年二月、東芝に契約解除を通知し、翌月、違約金12億円を請求した。

 東芝は支払いを拒否し、七月になって防衛省に受注額のうち、93億円の支払いを求めて東京地裁に提訴。増額も検討中という。

 口頭弁論はまだ開かれていないが、防衛省側は「製品を受け取っていないのに代金を支払う理由がない」と全面対決する構え。ポッドを搭載できないことから違約金に加え、無駄になった機体改修費を合わせた75億円の支払いを東芝に求める訴訟を検討している。

 東芝は防衛省に地対空ミサイル、中央指揮システム機材などを納入し、10年度の契約額は186億円。防衛産業の主要企業が防衛省を訴えた訴訟は、ヘリの関連経費350億円の支払いを求めた富士重工に続いて二件目になる。

 提訴の背景には、防衛費の削減に伴い防衛省とのなれ合い体質が見直されたことや、企業側が株主から訴えられるリスクを回避する狙いもあるとみられる。

 偵察機について、防衛省はRF4Eを使い続けるが、RF4Eは画像を伝送できず、着陸後にフィルムを現像する時代遅れの方式だ。事実上の偵察衛星である情報収集衛星はレーダー衛星二機が故障しており、防衛省の情報収集能力は既に低下している。

(東京新聞)

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