2011年8月20日土曜日

【NY外国為替市場】 一時、75円95銭の戦後最高値を記録


 〇_為替(最高値)
 3月17日 76円25銭
 8月19日 75円95銭

 〇_WTI/2011年
 3月 102.92
 7月  97.19
単位:USドル/バレル

NY円、上昇 1ドル=76円45~55銭 一時は75円95銭の最高値
【日経】2011/8/20 6:39

【NQNニューヨーク=古江敦子】19日のニューヨーク外国為替市場で円相場は上昇した。前日比10銭円高・ドル安の1ドル=76円45~55銭で取引を終えた。一時は75円95銭まで上昇し、東日本大震災後の3月17日に付けた76円25銭を上回り最高値を更新した。

 日本政府高官の発言が円売り介入に消極的と受け止められ、投機的な円買い・ドル売りが膨らんだ。世界的な景気減速懸念と欧州の金融システム不安を背景に、逃避資金が低金利の円に向かった面もあった。

 19日朝方に、米ダウ・ジョーンズ通信とのインタビューで中尾武彦財務官が為替介入について「日常的な手段ではない」と発言したと伝わった。さしあたって円売り介入はないとの見方から、円の最高値を狙った投機的な買いが膨らんだという。高値更新後は円買いは続かず、前日終値とほぼ同水準まで伸び悩んだ。

 このところ低調な米経済指標の発表が相次いでいる。米景気浮揚を狙って米連邦準備理事会(FRB)が一段の金融緩和を打ち出すとの思惑も広がり、円買いにつながったとの指摘もあった。

 ニューヨーク市場の円の安値は取引終了直前に付けた76円56銭だった。
 円は対ユーロで4営業日ぶりに反落し、前日比45銭円安・ユーロ高の1ユーロ=110円15~25銭で取引を終えた。

 ユーロは対ドルで反発し、前日終値の1ユーロ=1.43ドル台前半から1.44ドルちょうど近辺に上昇した。対円でのドル売りがユーロの対ドル相場に波及した面があった。

 米景気の先行き不透明感と米株式相場の下落を受け、FRBが緊急会合を開くとの出所不明の噂が出て、米国で金融緩和がさらに進むとの思惑が広がったとの指摘もあった。週末とあって、持ち高調整目的のユーロ買いも入ったという。
 ユーロのこの日の高値は1.4453ドル、安値は1.4377ドル。

【時事】
円、一時75円台突入=戦後最高値更新〔NY外為〕(19日)
6時24分

 【ニューヨーク時事】19日のニューヨーク外国為替市場では、欧米の景気に対する根強い懸念を背景に安全資産として円が買われ、戦後初めて1ドル=75円台に突入した。円は一時75円95銭まで上昇し、東日本大震災直後の3月17日に付けた76円25銭の最高値を更新。世界経済の先行き不透明感を背景とした急激な円高で日本の輸出企業が打撃を被り、日本経済に一段の下押し圧力が掛かるリスクが強まっている。

午後5時現在は76円49~59銭と、前日同時刻(76円52~62銭)比03銭の円高・ドル安。 米国債が初めて最上級格付けを失った今月5日以降、米国の金融市場は不安定な状況に置かれている。雇用や住宅市場の本格回復にめどが立たず、リセッション(景気後退)入りの可能性が取り沙汰されている上、ユーロ圏の債務危機が米国の金融システムへ波及しかねないとの懸念が投資家の間で意識され始めた。 

さらに、中尾武彦財務官が米メディアとのインタビューで「円を特定の水準に誘導するための持続的な為替介入を実施する計画はない」と語ったことが伝えられ、円を買う動きが加速。高値更新後は、政府・日銀が緊急対策を検討中との報が注目を集め、追加介入への警戒感から円は再び76円台に押し戻された。 市場関係者は「4日の円売り介入がなければ今ごろもっと円高が進んでいたかもしれない」(邦銀筋)と指摘。ただ、経常黒字国の日本やスイスなどの通貨に資金が流れやすい構図は当面続くとして「一段の円高余地がある」(同)との見方を示した。 

ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.4391~4401ドル(前日午後5時は1.4329~4339ドル)、対円では同110円15~25銭(同109円70~80銭)。

【毎日】
外為・株式:NY市場 円、75円台突入 戦後最高値更新 政府、再介入検討
 ◇一時75円95銭、高値で推移も

 米欧経済の減速懸念が強まる中、19日のニューヨーク外国為替市場は円相場が急騰し、一時1ドル=75円95銭を付け、東日本大震災直後の3月17日に付けた戦後最高値(76円25銭)を更新した。世界経済の先行き不安から、資金の逃避先として円が一気に買われた。市場では「今後も円相場は高値水準で推移する」との見方が多い。日本経済への衝撃緩和に向け、政府・日銀は円売り・ドル買いの市場再介入や追加金融緩和の検討に入った。
 19日の外国為替市場は、市場予想を下回った4~6月期の欧州連合(EU)の実質域内総生産(GDP)や、経済指標悪化が相次ぐ米経済の後退懸念を背景に一気に高騰。東京外国為替市場の円相場は、一時1ドル=76円38銭、続くロンドン外国為替市場で一時1ドル=76円31銭まで円高が進み、ニューヨーク市場で19日午前(日本時間19日深夜)に戦後最高値を突破した。市場では「欧米の景気減速懸念が払拭(ふっしょく)されない限り、円高圧力が続く」との見方が強い。ニューヨーク市場は午前11時現在、76円20~30銭と前日午後5時比32銭の円高・ドル安。
 19日には米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が、財務省の中尾武彦財務官がインタビューに「しょっちゅう市場介入するつもりはない」と発言したと報道。介入警戒感が後退した。
 円相場はギリシャ債務危機の再燃を受けて7月中旬に80円台を突破し、今月1日のニューヨーク市場で一時1ドル=76円29銭を付けた。政府・日銀は4日、急速な円高を是正するため円売り・ドル買いの市場介入を実施。介入前に1ドル=77円10銭近辺で推移していた円相場は一時1ドル=80円台まで急落した。
 だが、翌5日には米大手格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズが米国債を最上級の「トリプルA」から「ダブルAプラス」に1段階格下げ。市場の混乱を抑えるためG7(先進7カ国)は8日の緊急電話協議で「協調行動をとる」ことで一致したが、具体策が盛り込まれず、欧米アジアの主要市場で世界株安連鎖が起きた。
 米連邦準備制度理事会(FRB)が9日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で13年半ばまで超低金利政策を長期間続ける姿勢を示したこともドル売り・円買いを加速させた。欧州の債務危機も深まり、投資家のリスク回避の動きから消去法的に円が買い進まれる流れとなっていた。
 日本の産業界からは急激な円高による業績への悪影響を懸念する声が上がっている。日銀は4日の為替介入に合わせ、国債などの資産を買い入れる基金の規模を40兆円から50兆円に増額する追加金融緩和策を発表した。【ワシントン斉藤信宏、井出晋平】
毎日新聞 2011年8月20日 東京朝刊

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