【産経】2012.1.30 03:18
マーライオンの目 汚職と高額報酬
[外信コラム] 青木伸
シンガポールは汚職が少ない国としても知られる。非政府組織「トランスペアレンシー・インターナショナル」の汚職番付では、「清潔度」は183カ国・地域のうち5位、アジアではトップだ。
「メディア王」といわれるルパート・マードック氏はかつて、シンガポールを「最も清い社会」と評し、閣僚や公務員の高額報酬が、汚職を少なくしていると語った。汚職には厳罰で臨むなど、政府の姿勢は厳しく、汚職調査局が常に目を光らせてもいる。
最近、そのシンガポールで高級官僚の汚職疑惑が持ち上がり、話題になっている。中央麻薬取締局のウン・ブーンゲイ局長と、民間防衛隊(消防局)のピーター・リムシンパン隊長を汚職調査局が捜査し、2人を罷免した、と内務省が発表した。
ただ、「深刻な不正行為」があったとするだけで、具体的な容疑内容は明らかにしていない。情報管理が厳しいところがまた、シンガポールらしい。首相の年間報酬約1億8千万円など、汚職の「抑止力」とされる高額報酬は一方で、国民からの批判が強い。そこで政府の諮問委員会は、首相の報酬を28%、閣僚は最大33%削減することなどを提言した。
0 件のコメント:
コメントを投稿