2012年1月29日日曜日

【長崎空港】 初めての空港テロ、国民保護法実動訓練

内閣官房
 国土交通省航空局
 陸上自衛隊NBC専門部隊
 海上自衛隊
 長崎県危機管理課
 長崎県警
 大村市
 大村市消防局

 など62機関、1200名余


 日本国政府は2006年(2005年度)から「国民保護法」に基づく実動訓練を実施。今回、初めて空港テロを想定し、29日、長崎県などと長崎空港(同県大村市)での爆破テロを想定し、県警や消防など約1250人が参加した。

 午前10時ごろ、国籍不明のテロリストグループが、海上空港の長崎空港のターミナルビルと、本土側につながる橋の2カ所をほぼ同時に爆破したため空港が孤立し、多数の負傷者が残された事態を想定。

 自衛隊ヘリや民間船舶などが連携し、空港にいた約450人の被災者を空と海から次々に救助し、避難させた。


【長崎新聞】1月16日
「長崎空港で爆弾テロ」想定 29日に県内初の実動訓練

 国民保護法に基づく県内初の実動訓練が29日、大村市の長崎空港で行われる。爆弾テロで孤立状態となった海上空港から人々を救出、安全な場所へ避難させる-との想定。法施行から7年が経過し、すっかり薄れた県民の関心を再び引くためにも、さまざまな特徴のある大掛かりな訓練内容にしたという。

 内閣官房、県、市の共催。国と地方の共同による実動訓練は、2005年度から延べ22道府県が実施したが、空港を舞台にするのは初めて。

 県は毎年1回、関係機関を集めて図上訓練を続けてきたが、実動はなかった。

県危機管理課は「空港テロの想定や船舶による避難は全国でも前例がなく、国や他県も注目している。ぜひ県民の関心も引いて国民保護を考えるきっかけを与えたい」と意気込む。

 官民の62機関、1250人が参加を予定し、うち約450人が避難者となる。これとは別に参観者は約200人に上る見込み。

 「空港ターミナルで国籍不明の武装グループが爆弾テロを強行し、多数の死傷者が発生。陸路による唯一のアクセスである箕島大橋も爆破され通行不能に。テロリストは人質を盾に立てこもった」-。訓練はこんな想定で行われる。

 自衛隊の艦艇や民間船舶で沿岸に脱出し、重傷者はヘリで搬送。途中で民間バスに乗り換え避難する。同法では、こうした行政だけでは対応しきれない役割を担う民間企業などを「指定(地方)公共機関」と位置付けている。今回は病院や海運会社、バス会社などが参加する。

 現場は国際空港のためCIQ(税関、出入国管理、検疫)があるが、内閣官房は今回「緊急時は利用者の安全確保を最優先する」として手続きを避難先で行うことにした。訓練には外国人も参加させる。

 避難先では「きめ細かな取り組みが必要」(内閣官房)として安否情報の収集、健康チェック、警察と医療機関による遺族対応(グリーフケア)、地元住民による炊き出しを行う。

 首相官邸と現地を衛星回線によるテレビ会議システムで結び通信訓練も実施。消防や警察はNBC(核・生物・化学)兵器攻撃でないかを調べるほか、警察はテロ鎮圧も訓練するが、手の内を外部に明かさないよう非公開という。

 同法は、大量破壊兵器の拡散や国際テロ組織の活動活発化など「新たな脅威」から国民を守る目的で04年に施行。着上陸侵攻や弾道ミサイルなど四つの類型を想定した「武力攻撃事態」、これに準じた大規模集客施設や原発などが局地的に狙われる「緊急対処事態」に備える。今回の訓練は後者にあたる。

0 件のコメント: