2011年10月16日日曜日
【白熱教室JAPAN】 小笠原 泰 明治大学国際日本学部
白熱教室JAPAN
毎週日曜 教育 午後6時から午後6時58分
2011年10月2日~10月23日
小笠原 泰教授の「白熱教室」
明治大学国際日本学部、小笠原泰教授の「日本のビジネス文化」の講義を取り上げます。
能動的にグローバル環境に適応する人材が求められる今、グローバルに通用する人材とは何か。小笠原教授は、「日本人としての自らのアイデンティティを理解した上で、差異を認識し、グローバルな共通を模索する努力を放棄しないことが必要だ」と考えます。そこで、この4回の講義を通じて、自分たちがどのような色眼鏡をかけているのかを知るために、「日本的」「日本型」とはいったい何かを理解していきます。
教室の中を縦横無尽に歩き回り、学生たちにマイクを突き付けて対話を促す小笠原教授。即応力を求められ、学生たちの頭脳は休む間もなく動き続けます。これまであまり自覚せずにいた「日本的」とは何かを深く考えさせられる、刺激に満ちた講義です。
第1回「“僕はウナギだ”を訳せますか?」
10月2日(日) Eテレ 午後6時
日本語特有の表現を例に挙げ、高度文脈依存の言語の背景にある日本人の自己構造を探ります。また、他の言語にはない複数の一人称の使い分け(相手に応じて「オレ」「ボク」「ワタクシ」「オトウサン」「センセイ」など)は何故なのか、また、「場の空気、場違い」など日本人が大切にする「場」とは何なのかなど、意識せずにいた特異な点を明らかにしていきます。
第2回「あなたの選択は?“就職”or“就社”」
10月9日(日) Eテレ 午後6時
大学で何か研究・発表する“チーム”を組む時、あるいは会社で業務を遂行する時、その組織に「帰属」するのか「参加」するのか。求められるのは「役割」なのか、「機能」なのか。
その相違点を明らかにしながら、マニュアルやジョブ・デスクリプション(職務記述書)に書かれたことだけをするのが当然の欧米と、気配りと運用的解釈が必要な日本の、思考メカニズムや組織との関わりの違いを探ります。
第3回「「安全」と言ってくれ、「安心」するから」
10月16日(日) Eテレ 午後6時
原発事故を受けての経産省幹部の新聞発言を例に挙げ、「安心」と「安全」の意味を明らかにした上で、その根幹にある「リスクをとる」ことへの意識の違いを考えます。さらに、アングロサクソン社会で重用視される社会価値規範と、それを支える行動規範はどういうものなのか、日本とどう違うのかを探ります。
この授業のポイントは「主体と客体の分化」と「主体と客体の未分化」
〇「モノ(名)」と「こと(述)」の違い
〇「信頼」と「信用」の違い
〇「説得」と「納得」の違い
〇「安全」と「安心」の違い
アングロサクソン社会と日本社会の違い
アグロサクソン社会で重要なのは: 公平である。我慢強い。 パニックにならない。
日本ではリスクテイクでなくリスク排除である。主体客体が未分化。
「安全」でなく「安心」が重要。
「信頼(社会的関係)」より「信用(2体関係)」。
アングロサクソン価値観とあわない
公平(Is this fair?)
ディベートに説得を求められるが、日本人は納得を求められる。
ディベートの基本は「主張を否定しない、根拠や証拠を否定する」。
欧米:摩擦回避、姿勢
◆求められる徳:
公正、
前向きな心の広さ、
責任(コミット)、
リスペクト、
サポート、
インテグリティー、
コントリビューション、
実体的…。
「信頼」の社会(社会全体でなりたってる)と「信用」の社会。
私の「安心」。。 私の「信用」
科学はものを制御すること(科学、モノ、主体による客体のコントロール。設計と再現性)。
「木からリンゴがおちること」→もののあわれ(主観的、コト、主体と客体の未分化、時間的関係、プロセスの重視)。
安全は、客体(モノ)、安心(コト、主観)。
トルコ人学生「手でさわれる「もの」。手でさわれないのが「こと」と日本語学校でならった」
モノ:客観的、時間的に変動なし、安定的固定的、名詞的
コト:主観的、時間的にへんどうする。動詞的。
車の説明:名詞的な教えられ方(パーツ)、動詞的に教えられ方(使い方?関係性)
リスクを回避するためのコスト
「グランドキャニオンには柵が無い。日本は柵が無くて池に落ちたら、池の所有者の責任になる。」
「安全だといってくれれば、安心するから」
リスクテイクとリスク回避。「 安全は客観的に益をえるために制御されたリスクの範囲と安心は主観的にリスクを回避すること。。」
死を覚悟したら、安全じゃないかもしれないけど、安心することはあるかもしれない。
安全と安心との違いは?
子供の懲罰: 日本「でてけ」 欧米「外出禁止」
学生「日本:共同体から排除が悲しい。欧米:自由を奪う。」。
欧米のカギは外からカギかけられる。
第4回「日本におけるリーダーシップとは」
10月23日(日) Eテレ 午後6時
日本では、なぜリーダー不在でもどうにかなるのか。「日本人はリーダーに不向き」とよく言われますが、そもそも「リーダーシップ」は日本と欧米で同じなのか? 東日本大震災と福島原発事故という天災と人災を被った日本社会を、組織行動的に見て感じたことを学生たちに問いながら、典型的な日本型組織に求められるスキルとは何か、その強みと弱さは何なのかを考えます。
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