2012年1月26日木曜日

【山福製綿】 布団2600枚を受注 /納品3月

【朝日】2012年01月25日
 3月の納期を前にフル稼働が続く山福製綿の「工場」

 塩・砂糖と並ぶ香川県内の特産品「讃岐三白」のひとつ、綿の産地で知られる観音寺市で、布団作りが例年にないフル稼働で続いている。東日本大震災の救援活動に伴って、布団が必要になった防衛省から大量の注文があった。

 観音寺市豊浜町の「山福製綿」の工場は、ふわふわの白い綿と完成した掛け布団、発送前の段ボールで足の踏み場のない状態が続く。昨年12月から従業員9人が総出で、仕入れた化学繊維を製綿し、シーツに入れてミシンで縫う。

 防衛省から例年の4倍の2600枚の掛け布団を受注した。防衛省は震災後の補正予算で、陸上自衛隊が使う掛け布団と敷布団を発注した。買い替えは毎年だが、宮城県の多賀城駐屯地の被災や、避難所の被災者に布団を配ったために必要な数が増えた。

 社長の山下尊央(たか・お)さん(47)は「大量の注文を頼まれるのは、伝統の技術による品質のおかげだ。海外製品に負けない」と話す。価格で中国製に太刀打ちできないと感じ、休耕田で綿花を栽培して「讃州綿」として商標登録した。

 観音寺市は、鎌倉時代に綿花の栽培が始まり、江戸時代には紡績業で栄えた。県によると、県内の綿の製造業20社のうち15社が観音寺市にある。
 県によると、県内の布団の出荷額は1991年の56億1200万円をピークに、08年は28億1千万円と半減した。4人以上の事業所も21社から13社に減った。それでも、香川の全国シェアは、福岡(12・4%)、埼玉(11・6%)に次ぐ6・8%だ。(飯島健太)

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