2011年11月10日木曜日

【メコン川】 中国、1千人規模の水上安全部隊を新たに設立



 メコン川(瀾滄江)4023km

 2001年 中国、ミャンマー、ラオス、タイが条約を締結


【中国外務省】10月09日
 
 10月05日、メコン川のタイ北部で中国人が乗った商船2隻が武装勢力(タイ兵士9名)の襲撃を受け、商船に乗り組んでいた11人が死亡、2人が行方不明になった。

 商船2隻は中国船籍とミャンマー船籍。モーターボートに乗った武装勢力が船を乗っ取った。武装勢力はその後、麻薬の密輸を警戒中のタイ軍と交戦。その際、武装勢力側の1人も死亡した。


10月31日
「メコン川流域法執行・安全協力会議」(北京市)
 中国    公安相
 タイ    副首相
 ラオス   副首相兼国防相
 ミャンマー 内相


中国は1千人規模の水上安全部隊を新設立し、複雑な航路や水域でラオス、ミャンマー、タイと共に瀾滄江(メコン川)で水上運輸する船舶の護衛パトロールにあたり、瀾滄江航路の安全を取り戻す。

西双版納(シーサンパンナ)瀾滄江船東協会の秘書長・方友国が話す

中国側は12月の航路再開に向けて準備を進めており、政府は5隻の商船を買い付け、改装作業を行っている。
航路再開作業は11月25日までに完了する予定。



中国共産党機関紙人民日報(電子版)11月07日付

中国青海省を源流に、雲南省からミャンマー、ラオス、タイへ、インドシナ半島を南下しながら流れるメコン川流域に、中国が千人規模の武装部隊を派遣する方針を決めた。部隊は人民解放軍兵士らで構成され、巡視艇5隻で12月から、国境を越えて警備を始める。

 メコン川流域で10月、商船2隻が襲われ、中国人船員13人が殺害された事件を受け、中国はミャンマーとラオス、タイと共同警備体制構築で合意していた。

 ただ、4カ国では圧倒的な軍事力をもつ中国が、治安維持で主導権を握るのは確実。中国による武装部隊の外国への常時派遣は初めてとみられ、メコン川最下流のベトナムなど周辺国は警戒を一層高めそうだ。すでに5隻の商船が中国政府によって買い上げられ、巡視艇への改造作業が進んいる。巡視艇には水上警察ではなく、軍の国境警備部隊が配置される見通し。巡視艇の装備などは明らかにされていない。

 メコン川は古くからインドシナ半島の船舶による最重要の輸送ルート。だが、雲南省からミャンマー、ラオス、タイにかけての「黄金の三角地帯」と呼ばれる流域では麻薬や武器の密輸、人身売買、不法入国などが多発している。10月の商船襲撃事件をめぐっては、タイ警察が殺人容疑でタイ人兵士9人を逮捕している。

 中国の公安相とタイの副首相、ラオスの副首相兼国防相、ミャンマーの内相は先月31日、北京で「メコン川流域法執行・安全協力会議」を開き、流域の治安維持や取り締まり強化、12月からの正常な船舶の運航再開などで一致している。

 関係国と合意したとはいえ、自国の船舶の安全航行確保を理由に、中国が国境を越えてメコン川に武装部隊を常時派遣することに対し、南シナ海の南沙諸島や西沙諸島で中国と領有権を争い、かつメコン川の最下流もあるベトナムが今後、どのような反応を示すかが焦点となりそうだ。


【環球時報が】2011年10月28日

 中国公安部の張新楓(ジャン・シンフォン)副部長は訪問先のタイで、メコン川中国人船員殺害事件が基本的に解決したことを発表した。

10月5日、メコン川タイ流域で輸送船2隻が襲撃される事件が起きた。中国人船員13人全員が遺体として発見されたが、目隠しされ手を縛られた姿で銃殺され、川に捨てられるという凄惨な殺害方法がとられていた。

いわゆる黄金の三角地帯での事件ということもあり、麻薬組織など現地武装勢力による犯行と見る向きが強かったが、今回、タイ軍兵士による犯行だと発表された。すでに兵士9人が逮捕されている。犯行はあくまで兵士の個人的な犯行であり、軍が組織的に関与していないことが強調された。

現地関係者の話によると、タイには大量の麻薬が密輸されているが、犯罪組織だけではなく軍が関与しているケースが少なくないという。

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