HUNTER 玄海町長に強烈な一撃~原発マネーまみれの構図を詳報
社会
2011年7月 7日 13:20
玄海原発再稼動で時の人となった佐賀県玄海町の岸本英雄町長の疑惑を追っていた福岡市の調査報道サイト「HUNTER」が、玄海町の利権構造を解き明かす記事を報じた。 関係方面では早くも話題となっており、玄海町に原発再稼動の判断を任せた国や九電への批判が強まりそうだ。
「やらせメール」事件で揺れる九電や、周辺自治体を無視して再稼動を容認した岸本町長にとっては、とどめの一撃となるかもしれない。
玄海町・原発マネー還流のカラクリファミリー企業ゼネコンから現金
~町長一族支配の実態~
玄海原発の再稼動をめぐり、全国の注目を集めてきた岸本英雄玄海町長が、同町発注の公共事業の多くを受注する町長のファミリー企業「岸本組」を利用して、公金を還流させ自身の所得を増やしている実態が明らかとなった。 識者からは「世界の恥」とする厳しい批判の声が上がっている。
見過ごされた町政トップの能力・資格
今月4日、岸本英雄玄海町長が九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)で休止中の2号機、3号機の運転再開について、九電側に「同意」を与えた。焦点は古川康佐賀県知事の決断に移っているが、この一連の動きで見過ごされてきたのが岸本玄海町長の人物像である。 国や九電が勝手に決めた「再稼動」への過程では、立地自治体である玄海町に判断権限を与えたが、そもそも岸本英雄という人物に、世界中の原発の行方を左右しかねない重い判断をするだけの能力や資格があるのか、検証されるべきだ。 そうした観点から、岸本町長に関する選挙違反まがいの町議への現金供与や、不動産にからむ疑惑を報じてきたが、カネにまつわるさらに醜い実態が明らかとなった。 これでも岸本玄海町長の「同意」に意味があると言うのだろうか。
「配当所得」4,915,900円の謎
岸本町長が「玄海町長の資産等の公開に関する条例」に従って町に提出した平成21年分の所得報告書には、「配当所得」として「4,915,900円」が記載されている。
一方、資産等報告書にある保有する有価証券は、「岸本組」の株式が7,520株、佐賀銀行の株が6,417株である。「岸本組」(本社:佐賀県唐津市)は、岸本町長の実弟が社長を務める地場ゼネコンである。
ところが、佐賀銀行の1株あたりの配当は5円にも満たず、岸本組はここ数期にわたって無配を続けている。「4,915,900円」もの株式配当などありえない。
「売却益」と言い出した町長 先月30日、たまたま町長室にいた岸本町長をHUNTERの記者が問いただした。
記者:あなたの平成21年分の資産報告では、岸本組の株式を7,520株、佐賀銀行の株を6,417株保有していたことになっているが、所得報告書には4,915,900円の配当所得があったと記されている。本当か?
岸本:佐銀(佐賀銀行)の配当はそんなにない。たしか、何万円かにしかならんもんね。
記者:岸本組は無配だったはずだが?
岸本:県議時代は、ずいぶん配当をもらったですがね。
記者:500万もの配当はあり得ない。これは何のカネか?
岸本:あ、株を売ったやつかな?300くらい株を売った記憶がある。
記者:岸本組の株を売ったということか?
岸本:たしか、そうだったような・・・。会社に引き取らせたか・・・。
記者:岸本組は玄海町の公共事業を受注している。結果的にあなたの懐に公金が戻る仕組みとなり、極めて不適切ではないか。岸本:土地のことやらなにやら、調査してますから・・・。
記者:株の配当か、売却益か、はっきりすべきだ。いまハッキリしないのなら、総務課を通じてでも回答をいただきたい。岸本:そうさせましょうかね。
5日に報じた土地に関する岸本町長とのやり取りの、これが後半部分なのだが、役場をあとにした5分後、玄海町総務課から電話が入った。「町長は、株を売ったものだった、と言っておられます」。これが正式回答だという。 株の配当としていた「4,915,900円」は、実際には岸本組株の売却益だったということだ。
岸本組から現金 玄海町が定めた「玄海町長の資産等の公開に関する条例」および同施行規則では、株に関して配当所得とその他の所得についてきちんと区分しており、「譲渡所得」とすべきものと見られる。
岸本町長の所得報告の杜撰さが浮き彫りになった形だが、問題は株の配当にせよ売却益にせよ、町長が岸本組から多額のカネを受け取っている点だ。
報じてきたとおり、玄海町が発注する公共工事は、電源3法による交付金の恩恵を受け、同規模の自治体とは比べものにならない件数となる。
岸本組は玄海町発注の公共工事を数多く受注しており、その岸本組の株を利用して現金を得ることは不適切。株の売却益が岸本組からのものだったとすれば、なお性質(たち)が悪く、犯罪性が疑われる事態と言っても過言ではない。
それでは、岸本町長は株をどこに売ったのか?答えは、岸本町長が保有する岸本組株と、岸本組本社の保有株式数の推移をみれば明らかだ。
平成20年 岸本町長保有株8,790株 ― 会社保有株8,080株
平成21年 岸本町長保有株8,120株 ― 会社保有株8,750株
平成22年 岸本町長保有株7,520株 ― 会社保有株9,350株
平成20年から21年にかけて岸本町長の持ち株は670株減っているが、会社保有株はちょうど670株増えている。同様に平成21年から22年にかけて町長の持ち株が600株減っているのに対し、会社保有株は600株増加。
この間、筆頭株主(岸本剛・岸本組社長)をはじめその他の大株主の持ち株数にまったく変化はなく、岸本町長の持ち株は、岸本組本体に引き取られていた可能性が高い。 公共工事発注権者の岸本町長が、受注業者に株を引き取らせて現金を得るという構図だ。
岸本町長の所得報告書に記された株に関する所得金額は4,915,900円。佐賀銀行株の配当金は3万円にも満たないと見られ、岸本組から町長に渡ったカネは490万円あまりということになる。
先月30日に公開された岸本町長の平成22年の資産公開資料では、保有する岸本組株が300株減って7,220株となっており、前年同様「配当所得」として3,448,500円の記載があった。これも株の売却益であり、2年間での株売却益は800万円を超える。
なお、町長サイドは、所得報告書の訂正はしないことを総務課を通じて明らかにしており、完全に開き直った形だ。
町発注工事、岸本組が15%受注 同町は、入札関係書類を公表から1年で廃棄することを可能とする内規を定めているうえ、町民以外の情報開示請求を受け付けておらず、公共事業の実態解明は容易ではなかったが、平成21年度から先月までに「岸本組」が受注した同町発注工事に関するデータをまとめた。
(注:受注金額の数字は税抜き)
【平成21年度】町発注工事128件→岸本組受注件数19件(計5億6,576万円)
【平成22年度】町発注工事 99件→岸本組受注件数15件(計5億5,493万7,239円)
【平成23年度】町発注工事 17件→岸本組受注件数3件(計6,055万円)
玄海町発注公共工事の15%を、岸本町長のファミリー企業である「岸本組」が受注しているという異常な状況だ。
原発マネー還流のカラクリ
これまで報じてきた内容と、カネの流れを合わせて見ると、原発交付金 → 玄海町 → 岸本組 → 岸本町長 → 玄海町議といった原発利権の図式が出来上がる。 公共事業を独占し、原発交付金を主とした公金を還流させ自身の所得を増やし、町長選挙ごとに自派の議員に現金を配って手なずけているということだ。 岸本町長一族による玄海町支配のこれが実態なのだ。
市民オンブズマン福岡・児嶋代表幹事「世界の恥だ」 こうした玄海町の実態について、市民オンブズマン福岡の児嶋研二代表幹事は次のようにコメントしている。「玄海原発については、もはや玄海町だけの問題ではなくなっている。再稼動の行方は世界が注目しており、いわば『世界的な問題』だ。
そうしたなか、玄海町は政治倫理条例も作らず、情報公開も町民だけにしか許そうとせず、事実上門戸を閉ざした状態。説明責任を果すどころか、いかに情報を隠すかに懸命になっているとしか言いようがない。これは『世界の恥』だ」。
玄海原発の行方は、日本だけでなく、世界の原子力行政に影響を与えることが予想される。 疑惑まみれの玄海町長に、原発の是非を判断する資格はないのだ。
目標貫徹シリーズ(13)~詐欺をしても原発を防衛する九電(1)
コダマの核心
2011年7月 7日 11:24
<根底から組直し=首都遷都から>
東日本大震災は、日本国家危機の走りである。今回の災害復旧に対する日本政府の指導力のなさが各方面から非難・批判を受けている。別に菅首相をかばう筋合いはないが、民主党の誰に顔がチェンジされても一緒。ましてや自民党に政権が戻ったとしても最悪の事態になる。一番の極悪人は高級官僚たちだ。こいつらは日本国家を食い物にしている。国家が転覆されても「高級官僚=ハイエナたかり集団」は我だけが存続するための画策をする。さらにマスコミが、こいつらを糾弾するキャンペーンを打つ能力を失っているから始末が悪い。
決して不安を増長させるつもりはない。ただ事実だけを述べる。東日本大震災は、日本列島崩壊の第一章である。次は必ず東京首都圏の直下型地震が起きる。このときが日本国家存亡の事態になるであろう。被災者の数、被害総額の額がまるで違う。あまりにも便利優先の東京に膨大な権力を集中させてしまった。過密マンモス都市になってしまった東京に自然の制裁が下るのは時間の問題であろう。
この東京直下型地震が想定されるのに誰一人として『遷都プロジェクト』を叫ぼうとしない。「天皇と皇太子の東京・京都での分離」というリスク対策も講じられていないのには呆れる。「よくぞまー、日本民族は呑気なものだ」とあきらめの心境になってしまう。日本国家の根本的な再生への道は首都の震災以降になるであろう。だからこそ首都遷都を急ぐ必要が求められているのだ。要は過去から解放された発想で物事に対処しなければ一歩も前進できない。既成の枠内でしか行動できない役人たちに頼っていたら日本沈没は間違いない。
<脱・原発からスタートすればビジネスチャンスは宝の山>
「過去の縛りから脱却」でしか生き残れない局面であることは認識しているはずなのに『ダニ集団・高級官僚たち』と電力会社、そして、そのお抱えの学者・政治家たちは国家を滅亡させる「原発」の延命に躍起になっている。非常事態になれば天文学的保証金額が必要になることは立証されたではないか。何が『低コスト・エネルギー=原発』か! 結果的には太陽光発電などの自然エネルギーよりも高くなってしまうではないか!!
ソフトバンク社の孫正義氏の偉さは過去の頸木(くびき)から決別してビジネスを構築することだ。「原発に頼った生活、産業生産スタイルを断ち切ろう!!いまや再生可能な自然エネルギーを創出して新しい文明、産業、ライフスタイルを樹立していこう」とアジテーションを叫ぶ。孫氏のすごさは20年、30年後でなく4、5年という短期間でニュービジネスを創出することである。
孫氏の呼びかけを真剣に受けとめてみると未来が拓けてくる。「俺ならばこういう分野で勝負してみよう」という確信が湧いてくるはずだ。激変時代だからこそビックビジネスの果実を得る可能性が高まってくる。「東日本大震災の未曽有の危機こそニュービジネスを着手する絶好の機会」と察知して、10万人の若い世代が事業を起こす行動に踏み切るならば日本の再生は可能である。
<詐欺師集団=九電が騙くらかしても原発を守る>
「根底から世のなかが変わる、仕組みを創り直す」となれば旧体制側はあらゆる姑息な手段を使っても既得権益を防衛する。その一端が九電の『やらせメール事件』である。こうなると「原発も必要かな。自然再生エネルギーとの両立が無難だろう」という「過渡期原発必要」穏健派の方々も不信感を抱かせ、一挙に「反・原発派」に追い込んでしまった。「詐欺師集団=九電」さん、ありがとう!! 自ら墓穴を掘るなんて!
目標貫徹シリーズ(14)~詐欺をしても原発を防衛する九電(2)
コダマの核心
2011年7月 7日 16:33
「菅首相!!原発解散で九電力体制を打破したら?」
<玄海町支配の構図は全国共通>
「原発粉砕」の括りで特別キャンペーンを『NET-IBチャンネル』で打つ。6日掲載の2本の記事を読んで怒りを感じない市民はいないのではないか!!(1)「原子力マネーの甘い汁を吸って資産を増やした(株)岸本組」と(2)「HUNTER 玄海町長に強烈な一撃~原発マネーまみれの構図を詳報」をよーく読んでいただきたい。30年前の話ではない、現在の話だ。岸本兄弟、かたや玄海町長、こなた土建屋の社長として地域を支配してきた。九電はこの二人を利用して原子力発電の秩序を保ってきた。玄海町民には「いい加減、ねとぼけるな!!しっかりしろ」と喝破したい。
しかし、これは玄海町だけのことではない。全国津々浦々同一だ。そしてこの支配構造の根っこは国家中枢にある。東電を頭にした九電力と経済産業省の両巨頭を頂点として「原発利権」に群がる政治家・学者・評論家・マスコミ・地域ボスたちが甘い汁を吸ってきた。だからこそ『原発エネルギー終焉』の流れが大河になれば死活問題になる。あるゆる手段を使って、いや手段を選ばずに自己防衛に走ってくる。
今回はたまたま九電が、ひとり相撲で扱(こ)けてくれたことで助かった。九電・真部社長自身が「やらせメール」を指示したとか、しなかったという問題ではない。労使・関係取引者とも運命共同体の堅固な意志で統一されている。「原発スットプされたならば、われわれの生活はなくなる」という不安に駆られているからこそ、今後の妨害工作は巧妙かつ悪辣になることが予想される。ここまで書いていたら「眞部社長が辞意を固める」(いずれは辞めるが最終決定は松尾会長に)というニュースが流れてきた。
<頼りになるのは菅首相のみ>
詐欺師・九電グループが、国家中枢と絡んでいることは再三、述べてきた。この反動勢力の動きを封殺して「自然再生エネルギー活用で21世紀の社会システムの創り換え」の流れを固めるには菅首相の信念パワーにすがるしかない。菅首相が青年時代に市民運動に加わっていたのは承知のことだ。政治家としては風見鶏の立ち回りをしてきた。だが市民運動に参画してきた人たちの99%は「原発反対」である。「浜岡原発稼働ストップ」の決定を『だしぬけに』という批判もあるが、この決定こそが菅氏の本音なのである。「もう少し首相の思想と行動パターンを分析して批判しろ」と助言する。
首相官邸内でも路線論争、権力闘争が激烈だ。海江田万里 経産相は『詐欺師集団・九電』の意向を踏まえて手堅く原発稼働の路線の手立てを講じてきた。鼻っ柱が強い菅首相が『原発利権集団』に飼い殺しされた海江田氏の動きを黙って見守るはずはない。ここにきて菅首相は動いた。全国の原発に対して新たな安全性評価(ストレステスト)をすることを発表した。原発の再開は順調にいっても年末になる。「菅首相の本性が見えた」ということだ。「原発論争は譲れない」という強い意志表明である。戦いの頂点にあった6日、『詐欺師集団・九電』の若い将校たちは「やらせメール事件」で自爆したのである。
(つづく)
≪ (1) | (3) ≫
目標貫徹シリーズ(15)~詐欺をしても原発を防衛する九電(3)
コダマの核心
2011年7月 8日 09:55
「菅首相!!原発解散で九電力体制を打破したら?」
<何が低コストの原発か>
福島原発の被害補償、後始末には最低10兆円を超える金がいる。わかりきったことだ。東電1社で賄えるはずもない。九電力が復興・補償債を共同で引き受けることになったが、最終的には莫大な税金投入が予想される。こうなると国有化されたのに等しい。それでも『詐欺師集団・九電』(原発利権に食いつく集団)は、国家が壊れても必死で生きながらえよとうしている。この費用を含めれば原発コストは膨大になる。
また、原発電力の新規計画はまずは無理。既存の原発は新しくて20年、福島に至っては40年を経過している。1年1年、老朽化していく。そのメンテナンス費用、使用済み核燃料の処理、そして老朽化に伴って発生する事故と想定できるトラブルを含めれば天文学的コストがかさんでくる。福島原発の事故を起点にして1から出直しの総点検、電力エネルギー創出の再構築が必要になってきている。誰がみても原発コストは高いしリスクが多い。
菅さん!!いまや死に体政権だ。貴方が望む「ノン原発社会のあり方」を問い直して解散総選挙に踏み切ったらいかがかな!!もともと原発偏重の電力政策の舵取りを行なってきたのは自民党政権であったのだ。一番の責任を取る立場にあるのは自民党だ。「緊急事態における指導能力の無能さ」を批判されるのはやむをえないだろう。だが、自民党政権の長きに渡る原発政策の責任が不問にされ、一方的に追及されるのは理不尽だ。ここは一挙に菅さんの思うままに「原発賛成か、自然再生エネルギーか」を掲げて国民の審判を仰いだらどうか。貴方の胆力にすべてがかかっている。小泉さんにできて貴方にできないことはない。
<誰もが被災者のことを考えていない>
「大震災の復興で解散どころではないだろうが」という反対の声をあげる輩がいる。この連中が果たして真剣に被災者のことを考えたことがあるのか。国会においてはようやく復興策に着手する法案、予算がつき復興組織本部も発足された。しかし、ここに至る過程では党利党略優先、民主党派閥抗争など、目に余ることばかりであった。「被災者への速やかな支援」を錦の御旗にするものの真剣に活動する政治家は皆無。御旗を人質にして権力闘争に明け暮れてきた。首相に誰が就こうが事態は停滞するばかりであることは明白だ。権力の空白期間中には『詐欺師集団・九電』はゴキブリ同様の姑息な画策を練ることを許してしまう。だからいっそのこと、国民に信を問うべきである。
「選挙どころではない」という指摘は一面では当たっている。被災地の岩手県、宮城県、福島県でどうしても選挙できない一部のところでは超法規的に選挙中止という処置も重要であろう。「原発賛成か、自然再生エネルギーか」の論点については、次回、解説するとして、「無能呼ばわり」の菅さんよ!!最後は潔い戦いに挑んだらどうだ。『詐欺師集団・九電』たぐいの組織をのさばらすか、潰すかの選択を国民に委ねれば良いではないか!!
≪ (2) | (4) ≫
目標貫徹シリーズ(16)~詐欺しても原発を防衛する九電(4)
コダマの核心
2011年7月 9日 10:11
恥ずかしい『無知』
<菅首相では勝負できず>
菅氏に対しては昨日までは「愚図でもよい、場当たり的でも良い、何でも批判しなさい、結構な指摘です。開き流しなさい」と助言してきたが、「貴方は無能だ、胆力がない、政治センスがまるでゼロ、だから即刻、辞めなさい」と勧告することにした。 玄海原発の再開を巡る戦いは『原発利権派』と『自然再生エネルギー派』との関ヶ原の戦いと位置づけられていた。玄海町には「再開の要請」の根回しが済み、古川佐賀県知事が攻略され「再開OK」の意志表明をする。『詐欺師集団』の司令塔・経済産業省の巧みな布石は功を奏すると見られていた。菅氏はその権力闘争の敗北感を味わい、焦燥感に駆られていた。
だから敗北の流れを食い止めようと6日に菅首相は「ストレステスト(安全性評価)を導入する」と発表した。得意の『出しぬき場当たり』作戦だ。普通ならば玉砕戦術になる。ところが幸か不幸か焦る必要もない『詐欺師集団・九電』が「ニセメール」という自爆テロに踏みきったことで形勢逆転の流れができた。元小泉首相ならここで大博打を挑んでいた。解散という強権を振るっていた。だが、しかし残念ながら菅氏にはその「勝負時期」に決断を下す政治センスがない、決断力がない。きのう(8日)の政局を眺めると「立ち往生し、腐って終り」の菅政権の成れの果てが確定したようだ。
<プロは誰でも3月11日の夜に、メルトダウンを確信>
8日の昼、新日本製鉄のOBを取材した。研究所在籍した技術者である。「マスコミの端くれのコダマさんを目の前にして嫌味をいうのも恐縮だが、今の記者たちはまったく無知だね。騙くらかすのはわけがないね」と吹聴するのだ。こちらとしても思い当たる節があるので反論できない。この猛々しい姿勢はまだ崩さないのだ。「私だけでない。同僚の仲間たちも同様の見解に至った。『3月11日の夜にはもうメトルダウンが起きていたな』とメールで確認し合ったのだ」。こちらとしては「えー」と大声を発するしか術がなかった。
研究所では長い期間をかけて「特殊鋼板で原発の底を支える限度について」を議論し研究してきたそうだ。溶鉱炉では1,400度で鉱石類はすべて溶ける。耐熱最強の特殊鋼でも1,800度で溶け、鉄の原子機能まで消滅されるそうな。あの3月11日、原発の爆発によって到達した温度が2,800度であったことは発表された。結論、この計測された温度=2,800度を耳にすれば、「OBの仲間たち、誰もが『原発の底は抜けた=メトルダウンの発生』を察知するのが常識であった」となる。あらー、赤面の思い。
熱血漢OBはさらに鉄槌を下す。「マスコミの記者の馬鹿さ加減には呆れる。東電の関係者の隠蔽報道に翻弄された『著しい損失状態』としか表現しかできないのだから。われわれ、専門家に取材を求めれば核心情報を提供できたのに」。この罵倒に対して一言も反論の余地もできない。取材対象者のボロがでたときだけ「これでもか」と叩きまわすマスコミの報道姿勢には同業者として違和感を抱く。
筆者もわが無知を恥じる。他社のことは関心がないと言えば嘘になる。A社のB記者(名前を明かしても構わないが、経済担当としておく)はどうしているのだろうか懐かしい。九電社長宅の貴賓室で接待を受けたから提灯記事を書いたわけでもなかろうが、「玄海原発安全」報道記事は、もはや10年前のものであるかのように長い時間が経過した気分だ。それだけ連日、『詐欺師集団・九電』の原発再開画策ドラマが展開されているのである。
目標貫徹シリーズ(17)~詐欺しても原発を防衛する九電(5)―「詐欺師集団」の全貌
コダマの核心
2011年7月 9日 11:51
<わが生活防衛には手段を選ばず>
「やらせメール事件」は事の本質を赤裸々にしてくれた。まずこの偽装賛成メール工作は、九電組織ぐるみであることが見えてきた。前副社長(原発事業担当)が司令塔であったようだ。「玄海原発の再開が1日でも遅れると火力発電の費用が毎日飛んでいく。これは大事だ2012年3月期は赤字になる」と、世論操作の禁じ手を行なった。一般人は「市民を愚弄して」と怒るが、もともと九電には「市民を尊敬する」という気持ちがまったくない。
九電組織は組織ぐるみで世論誘導に奔走した。2,000本におよぶメールで指示伝達がなされた。考えてみたらお粗末な限りだ。九電部長クラスのやり取りならば公になるはずがない。九電関連会社の若い社員にまでメールが届けば告発者がでることも予測できなかったものか?(次号で触れる)(1)九電組織は上から下まで滅私奉公。生活のためには結束をして手段を選ばない組織。市民に対しては軽蔑の念で固まっている。ただし若手世代にはそういう風土を嫌がる存在もいることが判明したのはせめての救いだ。「やらせメール」自爆テロ!! ありがとう。本質が赤裸々になったから市民も考え直すだろう。
原発の地元には国家の予算と九電の地元飼い馴らし対策資金をばらまく。玄海町を支配してきたのは岸本町長と岸本組社長の兄弟である。この二人の兄弟に対して九電は「至せり尽くせり」接待を繰り返してきた。30年前以上の昔であれば、全国各地に一族が地域社会を牛耳っていたところがあったかもしれない。ところが現在、玄海町のように二人の兄弟で町を制圧しているところがあろうか!!
岸本町長は大見えを切る。「原発がストップになれば玄海町は佐賀県一の貧困地域に転落する」。一見、傍若無人に見られる岸本町長の立ち振る舞いに町民たちは大賛同の姿勢を示す。「そうだ!!われわれ町民は原発様のお陰で飯が食えているのだ」。(2)町民たちの行動原理には「隣の唐津市、伊万里市がどうなろうと知ったことか」という特異性がある。現代世界において宗教戦争、民族戦争、エネルギー収奪戦争と数多くある。この日本国内において玄海町民のエゴで「安全を巡る戦争」が勃発する可能性があるとは信じられない。
<佐賀支店長の最大の役割は知事対策>
玄海町を懐柔できたとしてもやはり知事の権力は絶大だ。九電佐賀支店長の最大の役割は佐賀県知事を「原発推進派」に押しこめることである。今朝(9日)のある朝刊に「古川佐賀県知事に九電佐賀支店長が献金」と報じられていた。過去の支店長たちは「個人的に支援した」というコメントをなしていたが、どなたも信用しない。(3)九電という組織が原発推進のためにはあらゆる策動をなして県知事をたぶらかすことも白日に照らされた。佐賀支店長も知事対策に実績を残さないとその後の出世の道が閉じられる。それはもう必死だ。
余談だが、「やらせメール事件」の発覚がなければ、8日前後に古川知事は「玄海原発の再開はやむをえないかな」と公的見解を述べる予定であった。そこから玄海原発再開の流れが決まっていたものを!!(4)そして最大のあと押し勢力は経済産業省と国会議員たちである。経済産業省からの天下り、引き受け先の役目もこなしている。各方面と対策を打ち、腐れ縁・癒着関係が明白になった。「やらせメール事件」が一挙に根元的な変革を求める効果を担ったとは皮肉。今は、「経済産業省の顔をつぶしたことでどう九電側が修復するか」を興味本位でみている。
≪ (4) | (6) ≫
目標貫徹シリーズ(18)~詐欺しても原発を防衛する九電(6)
コダマの核心
2011年7月11日 09:35
<九電若手社員も詐欺師集団と運命共同体ではない>
もう一度、繰り返すが、「やらせメール」は危機感に駆られて画策したものではない。原発担当前副社長が当然の如く指示をしたのである。住民を愚弄するのは「詐欺師集団・九電」の発想である。いつものように6月26日の「原発再開を巡る公開討論会」(主催・経済産業省・実質的にお国の主催)に原発賛成偽装の策を講じたに過ぎない。悪そびれた気持の欠片をひとつも持ち合わせていないのである。ところが、便宜なツール=ネットに頼っていたことで落とし穴に嵌(ハマ)った。内部告発をされたのである。
便宜なツールには致命的な問題が孕まれている。2,000件からのメール指示をすれば悪意工作に怒りを感ずる若者が現れてくる。責任司令塔の極悪人=前副社長の信念は下記の通りである。「九電および九電関連会社の社員は会社防衛のために忠誠心を尽くす」と。時代錯誤も甚だしい。「市民正義に反する企業活動は許さない」という価値基準が若者の思考のなかに浸透していることにまったく頓着がないのである。わが詐欺師集団の倫理が「優先=すべてである」から脇が甘くなるのも当然だ。
この前副社長は憮然としてこう吐き捨てるかもしれない。「あいつ(告発した青年)は関連会社の社員だ。九電の社員はこんな犯罪行為はしない」。そうでしょうかね。 中堅にさしかかっている40歳の九電正社員と話し合った。「コダマさん!!われわれ世代から下の社員たちは何を目標して働くか悩んでいるところです。要するに上を向いて事を穏便に済ましていけば世間並みを超えた保証はされるでしょう。しかし、絶対服従して得る対価が魅力あるものとは思えません。上層部がやるこんな法破りの破廉恥なことをわれわれが賛成するはずがありませんよ。ますます白けますね。何より小学校に行っている子ども二人が可哀そうです」。感情を押さえているが腸が煮えたぎっているのは間違いない。
<原発反対運動者にとっては便利なツール>
九電本店前で原発反対の座り込みをしているAさんは元気が良い。10年前まで、本店前で座り込み、街頭デモで歩いても孤独感に苛まされることが度々であったそうだ。「市民の安全のために体を張って運動してきたのに真剣に考えてくれない。一体、運動の拡大が可能であろうか」と自問自答をよくしたものだ。たしかに支援の輪は徐々に広がりがあるが、顔馴染みのサークル活動のレベルでしかなかった。訴える強力な武器がなかったのだ。
ところが今は比較にならない強力な宣伝ツールを武装できるようになった。それは「ネットメール」である。いろいろな集会、勉強会で知り合う人たちと名刺を交換してメールアドレスを得る。その積み重ねで2,000人へメルマガを送り届けられるようになった。定期的にメルマガを送ると様々な御意見が返ってくる。集会の呼び掛けも便利になったという。「2,000人にメルマガで呼びかければ最低1万人に伝わる」ことは間違いない。
いまや「ネットメール」には、「携帯メール」も付加されている。九電本社前に座り込みでいるAさんは愉快でたまらないだろう。この4カ日間の正門前での九電関係者の狼狽ぶりを目の当たりにして「これが、あの巨大企業・九電か。なんと脆いものよ。蜂のひと刺しならぬ自爆で墓穴を掘るのだから」と内心、高笑いをしているだろう。
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