2011年6月26日日曜日

F1ヨーロッパGP 土曜日

2011年6月26日

 ポールポジションはもはや当たり前のようにレッドブルのベッテル。何と今季8戦中7度目、しかも2位のチームメイトのウェバーにコンマ4秒の差を付けてと、スピード・キングぶりを見せつける。

 手がつけられないといってもいいだろう、それほど今のベッテルは絶好調に見える。このままでは1992年のマンセルとウイリアムズの再来となるかもしれない…

 この年、マンセルは開幕から5連勝を挙げ、更に第8戦フランスGPから第10戦のドイツGPまで、3連勝を重ね、第11戦のハンガリーGPでタイトルを決めた。結果的には16戦中14回のポールポジション、更にポール・トゥ・ウィンで年間9勝と凄まじい記録を打ち立てた。そしてこの時にドライブしていたFW14Bこそが現在のレッドブルレーシングのデザイナーであるエイドリアン・ニューウェイの作品でもあった。

 空力の天才、空力の申し子などと比喩されるが、革新的なシェイプやデザイン、テクノロジーを進んで採用し、非力なマシンでトップチームと互角に戦えうるマシンを生み出してきた。

 2006年にマクラーレンからレッドブルへ移籍をし、「RB2」をデビューさせ、現在の最速マシン「RB7」へと進化を遂げさせたのは彼の力だ。

 昨年初タイトルを穫ったベッテルも、契約更新にはチームに対しニューウェイとチームの契約継続を条件にしていたほどだ。

 現在のレギュレーションではエンジンの開発競争は押さえられ、エンジン・パワー以外の要素で相手チームに差を付けるにはマシンの空力バランスがどれだけ重要かということの証明でもある。空力的に優れたマシンと速いドライバー、その意味においては現在のレッドブルのパッケージは最強と言えるだろう。

 そして今回の予選結果からも判るが、勢力図としてはレッドブルを先頭にマクラーレン、フェラーリ、メルセデスの4強(あるいは3強+1)が中心になってレースは展開されていて、それ以外のチームにとって優勝は現実的ではないだろう。

そう思うとやはりBクラスといえるザウバーの非力なマシンでポイントをキッチリと稼いでいる、小林可夢偉の存在がより一層、輝いて見えてくるのだが…しかしこのコースでの昨年の快走ぶりは忘れ難いが、現実的に予選の段階までを見る限りでは、厳しいとしかいいようがない。ただ、レースとなれば何が起きても不思議ではないのも事実だ。実際に前戦のカナダGPのようなこともあり得ない訳ではないのだが、最終的に1ポイントでも加算できれば最高のリザルトと言えるが、そこは可夢偉に期待を寄せる僕らとしては、「何か」を期待せずにはいられない。

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