2011年5月26日木曜日

重要戦犯・ムラジッチ被告逮捕…7千人虐殺指揮

【ローマ=末続哲也】セルビアのタディッチ大統領は26日、ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦時のセルビア人武装勢力司令官で、旧ユーゴスラビア国際法廷(オランダ・ハーグ)に起訴され、逃亡していたラトコ・ムラジッチ被告(69)をセルビア国内で逮捕したと発表した。

欧州諸国が「重要戦犯」と見なす同被告の逮捕は、セルビアの欧州連合(EU)加盟の条件とされており、同国のEU加盟に弾みがつく可能性が高い。

 タディッチ大統領は記者会見で、ムラジッチ被告の同法廷への引き渡し手続きを進めていることも明らかにしたうえで、「これでセルビアの重荷が取り払われ、われわれの不幸な歴史が終わる」と語った。

 ムラジッチ被告は、ボスニア・ヘルツェゴビナ東部スレブレニツァで1995年7月にイスラム教徒7000人以上がセルビア人武装勢力に虐殺された事件を指揮したとして、同年、大量虐殺や人道に対する罪で旧ユーゴ国際法廷に起訴された。

だが、同被告を英雄視するセルビア人は依然多く、同被告の逮捕が遅れる一因と指摘されてきた。
(2011年5月26日21時14分 読売新聞)

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