2011年12月5日月曜日

駐クロアチア大使 現地女性大使館職員へのセクハラ疑惑発覚

〇_田村 義雄(64) 神奈川県出身

          東京大学法学部卒業
1971年(昭和46年) 大蔵省入省
2001年(平成13年)7月10日 財務省関税局長兼税関研修所長
2003年(平成15年)7月1日 環境省大臣官房長
2006年(平成18年)9月5日 環境事務次官
2008年(平成20年)7月22日 退官
2009年(平成21年)3月25日 在クロアチア特命全権大使


【週刊ポスト】2011年12月16日号 小学館12月05日発売
 駐クロアチア大使田村 義雄 現地女性大使館職員へのセクハラ疑惑発覚

 クロアチアは、古くからの親日国として知られる。日本大使館は首都ザグレブの中心地にある。4階建てルネッサンス様式の歴史ある建物だ。

東日本大震災の直後、クロアチアの官公庁が集まる日本大使館周辺では政権交代を求める5千人規模のデモが行なわれていた。そのデモ隊が日本大使館の前を通りかかった時である。彼らは一斉に足を止め、手に持っていた蝋燭に灯をともし、震災で亡くなった日本人のために黙祷を捧げた。

11月末の駐クロアチア大使館終業直後、その玄関前で駐クロアチア大使田村義雄(64)は本誌直撃に顔をこわばらせた――。

田村は2009年から現職に就いた。外務省のプロパー官僚ではない。日本国の特命全権大使の中でも2人しかいない事務次官経験者。その田村が現地採用したクロアチア人女性へのセクハラ疑惑が発覚した。

「大使のセクハラ」は大使館内で問題化し、外務省は現地に査察官を派遣して調査を行なっている。その報告書は外務省事務次官佐々江賢一郎や官房長木寺昌人らに提出されたといい、外務省局長クラスにも回覧されている。

外務省幹部が明かした。
「クロアチアは決して豊かな国とはいえないが、国民は東日本大震災で1億円もの義援金を募って被災地に送ってくれた。田村大使はそのお礼をしなければならない立場だ。だが、不行跡が相手国の政府にも伝わっており、いい印象は持たれていないと聞いている」

大使館関係者や在留邦人の証言。
被害を受けたのは昨春から大使館の事務職員として勤務する20代のクロアチア人女性のクララさん(仮名)。170センチ台半ばという長身で髪が長く、現地職員の中でもひときわ目を引く美人。

「大使は美人の若い子が好きなようで、採用する時から、クララさんに目をつけていた。大使館勤務の職に応募してきた若い娘の写真を机に並べて、ニヤニヤしながら眺めて選んだと聞いている」

大使の「行為」が始まったのはクララさんが勤務を始めて3日目から。田村大使は視察に行くのに現地人の秘書ではなく、わざわざ新人の彼女を指名して同行させ、公用車のレクサスの後部座席に並んで座らせた。そして視察の途中で彼女を抱き寄せ、強引にキスをした。

セクハラ行為はその後、次第にエスカレートしていく。車内でクララさんの足を撫で回したり、抱きついて身体を触ったりするようになったという。非常に悪質なセクハラ行為である。

だが、彼女は半年間、大使のセクハラに対して泣き寝入りを続けるしかなかった。大使館の職を辞めるわけにはいかない家庭の事情を抱えていたからだ。父親が失業中であり、兄弟を含む家族の生活がかかっていたのだという。

車内には運転手もいる。大使の強引なキスを目撃し、すぐに職員の間にウワサが広がった。彼女は現地職員たちに打ち明けたという。

「こんなことが近所に知られれば、いまの家にも住めなくなる」

我慢すべきじゃないという同僚たちに、彼女はそうクビを振った。クロアチアでは居住地域の連帯意識が強い。職を失うことが怖いだけでなく、セクハラ行為をされたことで、自分の家族の評判も落とすことになると心配したのだ。

彼女が家庭の事情でことを荒立てようとしなかったために、大使は味をしめたのかもしれない。弱みに付け込んだ卑劣な行ないというほかない。

0 件のコメント: