【長崎新聞】9月8日
長崎空港A滑走路の隣接住宅が航空法抵触 建造物制限で国交省が通知
A滑走路(右)の目の前に道路を挟んで住宅が立ち並ぶ古賀島町一帯=大村市内
海上自衛隊大村航空基地(大村市今津町)がある長崎空港A滑走路に隣接する住宅が航空法で定める建造物制限に抵触するとして、国土交通省大阪航空局が大村市や地元自治会に通知していたことが7日、分かった。
同局は既存の建物の移転などを含め、違法状態の解消を求めている。
大村市や関係者によると、同局は8月31日に市役所などを訪問。航空法は、空港周辺で一定の高さの建物などの設置を制限しており、A滑走路に隣接する同市古賀島町の住宅などが、同法に抵触していると説明した。
具体的な住宅戸数は示さなかったが、違法状態の解消のため、既存の建築物の建て替えも含めた対応を要請したという。建て替えの補償は示さなかった。
同局は長崎新聞の取材に、担当者が地元説明に訪れたことを認めた上で「古賀島地区では航空法で定める制限に、建物や樹木、電柱を含め、28件程度が該当している。移築について過去に補償をした事例はない」とした。
また「建築確認申請の時点で、市側から国交省に確認が来るはず」との認識も示した。一方、大村市は「建築確認許可が県から市へ移行したのは2009年度。市としては法に抵触していないか調べている」と主張。
「国から航空法に関する指導はあっていなかった」と説明する。
同滑走路は国交省所管で海自が使用。騒音が周辺住民の生活環境を侵害してきたが、国交省所管のため、防衛省による防音工事ができず、同市や地元住民が改善を求めていた。現在、国交省から防衛省へ移管が決まり、防音対策に着手する矢先だった。
地元住民の男性(75)は「長年、地元は騒音問題に苦しんできた。移管で防音対策に取り組む段階になり、なぜ航空法の問題が持ち上がるのか」と憤る。市議会も事態を問題視しており、超党派で市と共に解決へ取り組む動きが出ている。
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