2011年9月3日土曜日

防衛相「安保は素人、これが本当の文民統制」

 新防衛大臣・一川保夫 が早速、改名したそーだ
 その名は「安保素人」

 9月02日に発足した野田内閣の閣僚名簿を観る限り、安全保障及び外交防衛に精通した政治家は居ない

 当初、防衛大臣と思い込んでいたNHK記者出身の安住淳(49・元防衛副大臣 当選5期)は、財務大臣と言われ驚愕したそーだ。事前に、読み込んでいた防衛白書は無駄だったか

 「文民統制」とは主権者である国民(この場合は、一川防衛大臣)が、軍事(自衛隊)に対して、最終的判断・決定権を持つ、という国家安全保障政策における民主主義の基本原則であり、決断を判断するための豊富な情報収集と状況判断が求められ、「安全保障に対して素人」では不適格である

 絶えず、世界情勢、経済状況、各国の軍隊の動きに精通していることが求められる

 せめて、海上自衛隊の水上艦と、海上保安庁の巡視船の区別はつけて欲しい


読売新聞 9月2日(金)22時48分配信

 農学士(三重大学農学部農業土木学科卒業)で、農水省出身の一川防衛大臣が、2日、自らを「安全保障の素人」と称したうえで、「これが本当のシビリアンコントロール(文民統制)だ」と述べ、自民党の石破政調会長(元防衛庁長官)がかみつく場面があった。 

 一川氏は2日の認証式前、記者団に、「安全保障に関しては素人だが、これが本当のシビリアンコントロールだ」と述べた。

 石破氏は都内で記者団に、「大臣解任に値する。任命した野田首相の見識も問われる」と批判した。 

 一川氏は2日夜、首相官邸で記者団に「ほとんどの国民は(安保政策は)素人だ。一般の国民を代表する国会議員が監視するのがシビリアンコントロールだと思っている。国民目線で、国民が安心できるような政策が大事だと(いう意味で発言した)」と釈明した。
最終更新:9月2日(金)22時48分


対テロ戦10年、重い現実 帰還兵の社会復帰に壁
苦悩するアメリカ 終わらない戦い(上)
2011/9/2付

2001年9月の同時テロを受け、米国が対テロ戦争を始めて10年。首謀者ウサマ・ビンラディン容疑者が殺害されたが、戦いに終わりは見えない。膨らむ戦費、増える犠牲者が米国再生に大きな影を落とす。

8月中旬の早朝、ケンタッキー州フォートキャンベル基地。アフガニスタンから帰還した部隊が航空機から降り立つと、夜明け前から待ち構えていた家族たちは大歓声を上げた。

■米兵死者6千人
 「無事に帰れてよかった」。家族と抱き合う兵士らの姿を見守るシェリル・ナンスさん(51)は6時間かけて基地を訪れた。だがそこにナンスさんの息子、ケネスさんの姿はない。
 昨年10月、3度目の戦地派遣となるアフガニスタンで戦死。それでもナンスさんは帰還兵の出迎えに足を運び続ける。10年におよぶ対テロ戦争の米兵死者は6千人を超えた。ナンスさんは「10年も戦争をして何も変わらない。米国の若者は何のために命を落としていくのか全く分からない」と憤りを隠さない。

 01年10月のアフガニスタン攻撃開始以降、イラク、アフガン両国に派遣された兵士の数は約230万人。戦場から無事に帰還しても厳しい現実が待ち構える。帰還兵の失業率は12.4%と米国民全体の9.1%を上回り、帰還兵のホームレスは1万人を超える。

アフガニスタンから帰還した米兵たちを歓迎するシェリル・ナンスさん

 メリーランド州ボルティモアにあるホームレスの退役軍人の支援施設「メリーランド退役軍人教育・訓練センター」で働くティサ・ブラウンさん(40)も、イラクからの帰還後、ホームレスになる寸前で同センターに駆け込んだ一人だ。

 車のエンジン音が爆発音に聞こえ、誕生祝いのカードに仕掛けられた口笛の効果音にさえ「今の音は何?」と身構えてしまう。家の中にこもり、仕事を探すことができなかったという。
 同センターのウィリアムス所長によると、ホームレスの退役軍人の多くは心的外傷後ストレス障害(PTSD)やアルコール・薬物依存などの問題を抱えている。米雇用情勢の悪化が追い打ちをかけ、仕事を得ることができない退役軍人が後を絶たない。

■戦費1兆ドル超

 こうした現状を受け、オバマ大統領は8月初め、退役軍人を雇用した企業への税制上の優遇措置など対策を発表した。ただ米経済の減速傾向が強まる中での効果は不透明だ。米国は対テロ戦争に約1兆2千億ドル(約92兆円)以上を費やした。負傷した退役軍人の医療費や恩給、兵士とその家族が受けた心の傷など目に見えないコストも大きい。
 米政権は対テロ戦で米国は安全になったと主張してきた。しかし同時テロ10年にあわせたテロ計画がささやかれ、空港などの警戒態勢を緩められない状況は続く。一方、ブラウン大学の推計によると、イラクやアフガニスタンの市民の犠牲者数は米軍の戦死者数をはるかに上回る。こうした犠牲が反米感情や過激思想を誘発し、テロの脅威を高めてきた面は否めない。
 この10年のテロとの戦いは、米国が支払った代償に見合う価値があったのか。米国民は答えの出ない問いかけを続けている。
(ワシントン=芦塚智子)

変わる国防の姿 戦争の前線見えにくく
苦悩するアメリカ 終わらない戦い(下)
2011/9/3付

海軍特殊部隊「シールズ」の養成所があるカリフォルニア州コロナド海軍基地。精鋭を育てる過酷な訓練が行われる場として知られる。最近、その精鋭部隊の選抜基準が緩和され、9割超に達していた脱落率が8割程度に低下した。

アフガニスタンでの偵察や攻撃に無人航空機が多く使われている

 同時テロ首謀者のウサマ・ビンラディン容疑者の殺害作戦を実行したことで名を上げたシールズ。選抜基準緩和の背景にあるのが、近年の活動の場の拡大だ。隊員2400人のうち1200人が実際に軍事作戦に参加しているとされるが、ここにきて人員の一段の拡大に動いているもようだ。
 「米同時テロ以降、米国の国防戦略は根本的に変わった」。米戦略国際問題研究所(CSIS)のコーズマン上級研究員はこう指摘する。

■特殊部隊を活用
 テロとの戦いは「軍対軍」ではないゲリラ戦が中心で、「非対称の戦い」と呼ばれる。分散した小さなターゲットを効果的に攻撃する能力が重視される。小規模な部隊で急襲作戦などを得意とするシールズの軍事作戦が急増した裏側には、こうした「戦いの変化」がある。

 戦闘現場も変わった。ネバダ州ラスベガス近くのモファヴェ砂漠にあるクリーチ空軍基地では、アフガニスタンやイラク上空の無人航空機を24時間体制で操縦している。ボタン一つで爆撃が可能だが、基地内では爆撃音も砂ぼこりもあがらない。「将来はテレビゲームを操る能力が求められるかもしれない」。航空宇宙学研究所(オハイオ州)のヘイル所長は冗談交じりにこう予測する。

 特殊部隊の急襲や無人機の空爆には、政権にとって厭戦(えんせん)ムードの強い国民の意識を戦争から遠ざけられる魅力がある。もっとも元シールズ隊員のヘーベン氏は「通常の部隊が戦地から撤収した代わりに、特殊部隊や民間の警備会社が入っている。見える戦争から見えない戦争になっただけだ」と語る。

■紛争関与及び腰
 戦争の実態が大きく変わりつつある背景には、米国に大規模な地上軍を投入した戦闘作戦を展開する国力がなくなってきたことがある。国防予算の削減が求められるなか、米空軍が採用した無人航空機の主力である「プレデター」は1機1千万ドル(約7億7千万円)程度で、通常の戦闘機の10分の1だ。特殊部隊も通常部隊より少ないコストで済む。
 アフガニスタン、イラクからの兵力撤収を急ぐオバマ政権は、シリアなど中東民主化の紛争への関与には消極姿勢を保つ。オバマ氏が提唱する「核なき世界」も、平和追求という題目の裏に、5兆ドルを費やしてきたと言われた核保有コストが「お荷物」になっている事情も大きく働く。
 「ビンラディン殺害は米国の歴史上、最も偉大な情報収集活動と軍事作戦のおかげだ」。オバマ大統領は8月30日、退役軍人を集めた集会でテロ戦争の成果をこう強調した。しかし不安定さを増す世界の中で、新たにどんな役割を担うのかは見えてこない。
(ワシントン=中山真

0 件のコメント: