【ロシアの声】10.06.2011, 14:36
折木良一・統合幕僚長は、中国海軍の活動が活発化していることに懸念の念を表明している。
中国海軍の艦船11隻が沖縄本島と宮古島の間にある中立海域を通過した事件について、折木統合幕僚長は、中国海軍の活発化に懸念を表明し、必要な観察を行い、警戒感を引き上げると強調している。
日本側は、中国海軍の艦船が日本の領海を侵してはいないことを認めている。中立海域の航行は、国際海洋法に規定されている船舶航行自由の原則に則ったものだ。
どちらにせよ、中国の諸隣国は、中国海軍の活発化を警戒しているほか、中国による空母建設計画についても警戒感がもたれている。最近中国のチェン・ビンデ参謀長は、中国史上はじめてとなる空母建設について、情報を認めている。最近5年間で、中国の海洋政策にはアプローチの変化が見られており、あたかも「海洋拡大戦略」が描かれているようにも見える。
雑誌「ナショナル・ディフェンス」紙の編集長であり、軍事専門家でもあるイーゴリ・コロトチェンコ氏は、「ロシアの声」とのインタビューに答え、次のように指摘している。
―主要な問題としてあるのが、空母に搭載する艦上戦闘機をどのように調達するか、ということです。ロシアからスホイ33型戦闘機を購入するための交渉が行われていましたが、結局妥結には至りませんでした。中国側の発注数が限られたものであり、おそらくコピーを製造するためのものと思われたため、ロシア側は売却を拒否したわけです。しかし、ある情報筋によれば、中国側はウクライナで調達した戦闘機のコピー製造に成功したとの情報も入っています。
しかしロシアの専門家らは、中国が近いうちに完全な形での艦上戦闘機の量産に入るとは見ておらず、ロシアと中国の間での軍事協力の可能性は残っているといえる。
一方で、中国のライバルであるインドも発展をつづけているため、中国にはそれほどの時間的余裕がないというのも確かだ。インドは20年間で約500億ドルを使って100隻以上の軍艦を建造している。
またアメリカも自らのプレゼンスを縮小しようとは考えていない。カート・キャンプベル国務補佐官は、オバマ政権は現在、アジアにおけるプレゼンスを保つために地域での軍事戦略の再編を進めているとしている。
全体として、アジア太平洋地域においては、冷戦終結以後見られなかったような軍拡競争が進んでおり、いまやアメリカ、インド、中国の三つ巴となっている。そのことはほかの諸国の追随も招くことで、さらなる不安定化をもたらすことだろう。
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