2011年5月19日木曜日

【防衛省】 水没したF-2戦闘機の復活は6機程度。5年間かかる


【東日本大震災】水没F2戦闘機「復活は3分の1」 修理費は1機あたり50億~60億円
2011.5.19 01:30

津波の被害にあった航空自衛隊松島基地のF2などの戦闘機 現在は修理待ちや検証が行われており、格納庫で復活を待っている =4月15日午後、宮城県東松島市

 東日本大震災の津波で水没した航空自衛隊松島基地(宮城県東松島市)のF2戦闘機18機のうち、復活可能なのが最大3分の1の6機しかないことが18日、防衛省の調査で分かった。

 各機の部品を集めて修理するのに5年ほどかかり、修理費は1機当たり50億~60億円とみる。水没F2はパイロット養成用のため、実戦部隊のF2を教育用に回すなど代替措置の検討も急ぐ。

 震災の復旧対策を盛り込んだ平成23年度第1次補正予算では、水没F2の検査費などで約150億円を計上した。防衛省は第2次補正予算案に本格的な修理費を要求する方針だ。

 F2は機体に海水の塩が入り込み、被害が深刻化した。

 メーカーの技術者らが松島基地で機体調査をしたところ、復活可能なのは6機程度と判断した。

 今後は各機から使用可能な部品を外して、機体を組み立てる。厳しい財政事情で、1機当たりの機体価格が約120億円のF2を新規購入できないことを受けた窮余の策だ。

 F2は今秋に最終号機が納入予定で製造も終了するため、追加で調達すべき部品の在庫の有無や新たに製造可能かどうかをメーカーに確認している。

 F2の養成課程にいた約40人の隊員は4月から三沢基地(青森県)に移り、教育を受けている。

 水没F2の修復が終わるまでの間は、F2パイロットの新たな養成は代替措置が必要となる。

 空自の検討では、
(1)実戦部隊のF2を教育に転用
(2)米国に派遣し、F2の機体のベースとなっているF16の課程で養成
(3)F15で養成後、F2に機種転換-を組み合わせる案が有力となっている。

 空自は約80機のF2を保有している。F4やF15に比べ、地上や海上の目標の攻撃能力に優れている。

 F2戦闘機 航空自衛隊所属。米空軍のF16戦闘機をベースに大型化した機体に、日本独自の技術を組み込んだ日米共同開発。生産は平成元年からで、日本側は三菱重工などが6割を担当。機体価格は約120億円。7年に初飛行し、12年から三沢(青森)、築城(福岡)両基地に実戦部隊が配置されている。

 国産初の超音速戦闘機F1の後継。導入前の次期支援戦闘機(FSX)の議論の段階では、国産機として計画されていたが、日米間で政治問題化したため、日米共同開発で決着した。

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