(MONEYzine - 05月28日 14:03)
92兆円を超えた日本の「外貨準備高」。
19兆円ともいわれる復興財源に使えないものだろうか。
財務省の発表によると、2011年4月末現在で、日本の外貨準備高は1兆1355億4900万ドル(約92兆6600億円)となった。これは、中国に次ぐ世界第2位となる巨額な資金だ。
それでは、外貨準備高とは一体、何のための資金なのか。
なぜこれ程までの額を保有し、しかも使うことができないのだろうか。
まず、外貨準備高(外貨準備金)とは、政府や中央銀行(日本銀行)が保有する外貨を指す。
目的は大きく分けて2つある。
ひとつは輸入代金決済や債務(借金)などの対外支払いが、困難になった際に使う資金。もうひとつは、急激な円高を防止するために経済の安定をはかるための為替介入資金、いわゆる円売りドル買いに使うのだ。
そしてこの為替介入が莫大な利益、あるいは損失を生む。日本の場合、買ったドルの大半はアメリカ国債の購入に充てられている。当然国債なので金利がつく。つまりアメリカ経済が好調であれば、比例して日本の外貨準備高も増加していくことになる。
しかし、アメリカ経済が悪化し、アメリカ国債の価格が下落すれば損失が生じる。このリスクを避ける手だては、国債を売却すること。とはいえ、世界経済に多大なる影響を持つアメリカの国債である。おいそれとは売ることもできない。したがって使いたくても、使えないのが実情だ。
2011年3月の時点で日本のアメリカ国債保有額は、9079億ドル(約74兆2000億円)に達した。一方で、世界銀行がまとめた報告書によれば、震災復興に際し必要な資金は2350億ドル(約19兆3000億円)となっている。
外貨準備金は、アメリカ国債などほとんどが海外債券のため、国内の経済振興などに自由に使うことができないと、たびたび指摘されてきた。
先の東日本大震災の復興資金の捻出を巡る議論が行われている今こそ、これまで以上に外貨準備金の活用方法を含めた存在意義を、再考すべき時なのかもしれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿