田中貞次郎(55)1空佐 佐賀県出身
防衛大学校22期
幹部候補生学校
築城航空基地
南西航空混成団司令部総務部長
2006年12月06日 航空自衛隊幹部候補生学校教育部長
航空教育群第2教育群司令
2009年08月03日 築城航空基地副司令
2011年12月01日 定年退官
【朝日】2011年12月01日
築城基地の名物副司令が定年退官
航空自衛隊築城基地の副司令、田中貞次郎さん(55)が1日付で定年退官する。地域のFM局で隊員が出演する番組を手がけたり、基地前の休耕田でコスモスを育てたり……。独特のアイデアと取り組みで、地域の人たちと触れ合ってきた。
佐賀県生まれ、防衛大学校第22期生。自衛官としての駆け出しは航空機の整備担当だった。だが、5年足らずで総務人事畑に異動。「職人」のメカニックでもなく、「花形」のパイロットでもない、地味な仕事。でも「隊員あっての空自、地域住民あっての基地。すべては人で成り立っている。仕事を楽しもう」と考えた。
初任地でもある築城基地に2009年8月、副司令として着任。丸茂吉成司令とともに1600人の隊員を束ねる一方で、基地への理解と協力を願い、地域との垣根を取り払うことに努めた。
10年6月、地域ラジオ「スターコーンFM」を媒体とした隊員のトーク番組「ホットスクランブル」の実現を後押しした。全国の空自基地でレギュラー番組を張っているのは築城だけ。毎週、隊員らが企画・制作・出演をこなす人気番組に育った。
11年7月には、地元の築上町観光協会とタイアップして「築城基地名物 隊員食堂カレー」の発売に協力。門外不出のレシピを提供し、11月までに3万食が売れるヒット商品となった。
ユニークな活動の種は、各地でまいてきた。新田原基地(宮崎県)では自衛官のマナーやモラルの啓発ビデオをドラマ仕立てで自主制作。祭りのパレードにも仮装した隊員を率いて乗り込んだ。小松基地(石川県)時代には、広大な基地の敷地を開放した花火大会を初企画。県内各地で花火が盛んなのに、基地周辺では催されていないことに気づき、地元新聞社にアイデアを持ち込んだ。今では小松の夏を彩る風物詩として定着した。
築城では「土」とも格闘。今秋、基地正門前の休耕田に1万本のコスモスが咲き誇った。言い出しっぺは田中さん。武骨な基地のイメージを和らげて、訪れる人に和んでもらおうと考えた。コスモスを選んだのは、京築地域の秋になじむ花と感じたから。我流で試した昨秋は数十本しか育たず大失敗だったが、今秋は大成功。自衛官生活のフィナーレに花を添えた。
33年間で15回の転勤を重ねてきた。初任地時代に射止めた妻の千代香さん(52)は築上町出身。退官後しばらくは、妻の待つ埼玉県の自宅で「充電する」という。「経験を生かし、第二の人生で意気に感じる仕事ができれば。京築とのご縁は続きます。お役に立てることがあれば、喜んで」(中村幸基)
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