(読売新聞 - 05月16日 18:19)
【カイロ=加藤賢治】アル・カーイダは報復テロを宣言する一方、ビンラーディンの後継者をまだ決めていない。
新指導体制を巡り、権力闘争が起きるとの見方も出始めている。
後継者の有力候補は副官のエジプト人アイマン・ザワヒリ容疑者(59)。
裕福な学者一族の出身で、カイロ大医学部で学んだ外科医だ。十代でイスラム過激思想に傾倒し、1981年のサダト・エジプト大統領暗殺を機に行われた過激派一斉摘発で3年間投獄された。80年代後半、アフガニスタンでビンラーディンと出会い、信頼を得たとされる。
投獄当時のザワヒリ容疑者を知るエジプト人弁護士モンタサ・ザエット氏(55)は「欧米の新聞も読み、知識が豊富。理論家だった」と振り返り、「指導者の資質は十分ある」とする。
一方、アル・カーイダは系列組織が独自に活動する連合体に変質していることから、ガルフ・リサーチ・センター(アラブ首長国連邦)のムスタファ・アラアイニ安全保障担当部長は、「もはや一個人に頼る組織ではなく、後継を指名する必要はない」とみる。
2011年5月16日月曜日
【北朝鮮】 中国を介してイランへミサイル技術移転の可能性
【中央日報】
北朝鮮とイラン、中国を介してミサイル技術移転の可能性
2011年05月16日08時26分
北朝鮮が国連の経済制裁にもかかわらず、弾道ミサイル部品と技術などをイランに定期的に提供したり提供されていたことが明らかになったとロイター通信が国連機密報告書を引用して14日に報道した。
報告書は、「禁止された弾道ミサイル関連部品が高麗航空とイラン航空の定期便を通じて北朝鮮とイランの間で移送された疑いがある。技術移転は隣り合った第三国を通じてなされた」と書いた。
匿名を要求した国連外交官らは、「言及した第三国は中国」と話したと同通信は伝えている。
報告書は、「北朝鮮が昨年10月の軍事パレードで公開したノドンミサイルの新しい弾頭がイランのシャハブ3Aミサイルの弾頭デザインと非常に似ていた」と指摘した。
さらに「武器と関連部品を船舶で輸送する場合には物理的検索が避けられないため、北朝鮮はチャーター機を通じた輸送を好んだとみられる。
これらの航空機は貨物ハブ空港を利用したが、これは旅客ターミナルと違い厳格な検索と保安検査が行われない場合が多いため」と説明した。
13日に国連安全保障理事会に提出されたこの報告書は、北朝鮮の核実験(2006年と2009年)に対する対応として安保理の対北朝鮮兵器禁輸、北朝鮮との核・ミサイル技術貿易禁止などの制裁措置が順守されているかを監視してきた専門家パネルが作成した。
中国はこの報告書が安保理に提出されるのを反対したとニューヨークタイムズが14日に伝えた。専門家パネルに参加した中国の専門家が自国政府の圧力を受け報告書に署名するのを拒否し、報告書提出が遅れたという。
北朝鮮:イランへ技術者200人 核、ミサイル開発支援
【ソウル西脇真一】北朝鮮がイランに200人以上の技術者を送り込み、核やミサイル開発などの軍事技術を支援しているとみられることが対北朝鮮情報筋の話で分かった。2度の核実験に伴う国連制裁で、北朝鮮の武器輸出は難しくなっているが、代わりに軍事技術の移転で生き残りを図ろうとしている可能性があり、米国などが警戒を強めている。
同筋によると、北朝鮮の200人はウラン濃縮施設などがあるイラン中部ナタンツなど12の地域に分かれて滞在し、技術の支援にあたっているとみられる。出入国や移動経路が発覚しないよう他人名義の旅券を所持する人物もいるという。
北朝鮮は80年代初頭、エジプトから旧ソ連製の短距離弾道ミサイル「スカッドB」や自走式発射機を輸入して改良を進めてきた。一方、イランはもともと米国製兵器を使っていたが79年のイラン革命後は購入が不可能に。イラン・イラク戦争でイラクからスカッドミサイルを撃ち込まれ、対抗するため北朝鮮とのミサイル取引が始まったとされる。
イランの短距離弾道ミサイル「シャハブ1」や中距離弾道ミサイル「シャハブ3」は、それぞれ北朝鮮の「スカッドB」改良型や「ノドン」がベースとされ、最近は北朝鮮の技術をしのぐまでになったといわれる。
この情報筋によると、韓国哨戒艦沈没事件(昨年3月)で北朝鮮が使ったと韓国軍が指摘する「ヨノ(サケ)級」潜水艦は、イランとの軍事交流の中でイタリアの小型潜水艦建造技術を利用して建造されたとみられる。
経済難が慢性化する中、北朝鮮にとって武器輸出は重要な外貨獲得手段だった。しかし、国連制裁後は09年末にタイで貨物機からイラン向けとみられる武器が押収されるなど、監視網が強まったため、人による技術移転を強化している可能性がある。
一方、北朝鮮は武器輸出も継続しているとみられ、別の情報筋は「引き渡す方法はそれなりにあるようだ。かつて米国や旧ソ連から武器を買わされていたアフリカなどの小国が、北朝鮮製を求めるようになっている」と指摘する。
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北朝鮮:「対話拒否」と韓国批判 国防委が報告書発表
毎日新聞 2011年5月16日 2時32分(最終更新 5月16日 2時49分)
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2011年05月16日08時26分
北朝鮮が国連の経済制裁にもかかわらず、弾道ミサイル部品と技術などをイランに定期的に提供したり提供されていたことが明らかになったとロイター通信が国連機密報告書を引用して14日に報道した。
報告書は、「禁止された弾道ミサイル関連部品が高麗航空とイラン航空の定期便を通じて北朝鮮とイランの間で移送された疑いがある。技術移転は隣り合った第三国を通じてなされた」と書いた。
匿名を要求した国連外交官らは、「言及した第三国は中国」と話したと同通信は伝えている。
報告書は、「北朝鮮が昨年10月の軍事パレードで公開したノドンミサイルの新しい弾頭がイランのシャハブ3Aミサイルの弾頭デザインと非常に似ていた」と指摘した。
さらに「武器と関連部品を船舶で輸送する場合には物理的検索が避けられないため、北朝鮮はチャーター機を通じた輸送を好んだとみられる。
これらの航空機は貨物ハブ空港を利用したが、これは旅客ターミナルと違い厳格な検索と保安検査が行われない場合が多いため」と説明した。
13日に国連安全保障理事会に提出されたこの報告書は、北朝鮮の核実験(2006年と2009年)に対する対応として安保理の対北朝鮮兵器禁輸、北朝鮮との核・ミサイル技術貿易禁止などの制裁措置が順守されているかを監視してきた専門家パネルが作成した。
中国はこの報告書が安保理に提出されるのを反対したとニューヨークタイムズが14日に伝えた。専門家パネルに参加した中国の専門家が自国政府の圧力を受け報告書に署名するのを拒否し、報告書提出が遅れたという。
北朝鮮:イランへ技術者200人 核、ミサイル開発支援
【ソウル西脇真一】北朝鮮がイランに200人以上の技術者を送り込み、核やミサイル開発などの軍事技術を支援しているとみられることが対北朝鮮情報筋の話で分かった。2度の核実験に伴う国連制裁で、北朝鮮の武器輸出は難しくなっているが、代わりに軍事技術の移転で生き残りを図ろうとしている可能性があり、米国などが警戒を強めている。
同筋によると、北朝鮮の200人はウラン濃縮施設などがあるイラン中部ナタンツなど12の地域に分かれて滞在し、技術の支援にあたっているとみられる。出入国や移動経路が発覚しないよう他人名義の旅券を所持する人物もいるという。
北朝鮮は80年代初頭、エジプトから旧ソ連製の短距離弾道ミサイル「スカッドB」や自走式発射機を輸入して改良を進めてきた。一方、イランはもともと米国製兵器を使っていたが79年のイラン革命後は購入が不可能に。イラン・イラク戦争でイラクからスカッドミサイルを撃ち込まれ、対抗するため北朝鮮とのミサイル取引が始まったとされる。
イランの短距離弾道ミサイル「シャハブ1」や中距離弾道ミサイル「シャハブ3」は、それぞれ北朝鮮の「スカッドB」改良型や「ノドン」がベースとされ、最近は北朝鮮の技術をしのぐまでになったといわれる。
この情報筋によると、韓国哨戒艦沈没事件(昨年3月)で北朝鮮が使ったと韓国軍が指摘する「ヨノ(サケ)級」潜水艦は、イランとの軍事交流の中でイタリアの小型潜水艦建造技術を利用して建造されたとみられる。
経済難が慢性化する中、北朝鮮にとって武器輸出は重要な外貨獲得手段だった。しかし、国連制裁後は09年末にタイで貨物機からイラン向けとみられる武器が押収されるなど、監視網が強まったため、人による技術移転を強化している可能性がある。
一方、北朝鮮は武器輸出も継続しているとみられ、別の情報筋は「引き渡す方法はそれなりにあるようだ。かつて米国や旧ソ連から武器を買わされていたアフリカなどの小国が、北朝鮮製を求めるようになっている」と指摘する。
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毎日新聞 2011年5月16日 2時32分(最終更新 5月16日 2時49分)
東日本大震災:福島第1原発事故 1号機空だき10時間以上 専門家「公表遅すぎる」
東京電力福島第1原発1号機で、地震からわずか16時間後の3月12日早朝には、燃料の大部分が溶け落ちていた可能性が強まった。
東電の解析によると、燃料の溶融は従来考えられていた以上の速度で進行。外部から冷却水を入れるため、弁を開いて炉内の圧力を下げる「ベント」作業を始めた時には、炉内は既に水位が燃料の下端を下回る「空だき」状態で、燃料の大部分が溶融していたことになる。今後、ベントの作業や外からの注水のタイミングが適切だったかが問われることになりそうだ。【酒造唯、八田浩輔】
東電のこれまでの発表では、福島第1原発で原子炉が空だき状態になったのは2号機(14日)が最初。1号機は、空だきになっていたことすら公表されていなかった。
今回の解析結果が正しければ、1号機の空だき状態は11日午後7時半ごろから、淡水の注入開始(12日午前5時50分ごろ)まで10時間以上続き、ベント開始はさらに5時間近く後になってからだったことになる。
小出裕章・京都大原子炉実験所助教は「電源喪失で原子炉が冷やせなくなれば、早い時期に炉心溶融に至ることは想定できていたはずだ。燃料の損傷が限定的だとしてきた東電の説明は完全に誤っていたことになる。データの公表も遅すぎる」と指摘する。
東電は今回の解析で「圧力容器の損傷は大規模ではない」と説明するが、小出助教は「圧力容器は完全に破損し、溶けた燃料が格納容器の底に穴を開け、原子炉建屋の地下に大量の汚染水が漏れ出す原因になっている」と推定する。
吉川栄和・京都大名誉教授(原子炉安全工学)も「溶融した燃料の一部は格納容器に落ちているだろう」と指摘、東電の解析に否定的な見解を示した。
さらに「燃料は格納容器のクラック(損傷部)から水と一緒に漏れている可能性もある」と述べ、地震の揺れや炉心溶融、水素爆発などさまざまな原因で格納容器が損傷している可能性を指摘した。
工程表への影響について吉川名誉教授は「初めに描いた絵と状況が異なり、収束までの時期は確実に延びるだろう。むき出しの燃料の回収は相当困難な作業になる。廃炉の工程にたどり着くのも難航するだろう」と厳しい見通しを示した。
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福島第1原発:茶葉から放射性物質 「なぜ神奈川で…」
福島第1原発:地震16時間後、燃料の大半溶融 1号機
毎日新聞 2011年5月16日 東京朝刊
【東京新聞】
【社会】
1号機東電分析 16時間後メルトダウン
2011年5月16日 07時02分
福島第一原発の事故で、東京電力は15日、1号機の燃料損傷は大震災の発生約5時間後から始まり、16時間後には燃料が溶けて底部に落下(メルトダウン)していたとの見方を示した。
震災直後の1号機の原子炉水位や温度から分析。津波による電源喪失で冷却機能を失った圧力容器内では、水位が急激に低下していた。
東電は中央制御室の計算機などから回収した原子炉温度や圧力の記録を基に、震災発生と同時に原子炉が停止した時点からの状態の変化を分析。
震災から45分後の津波により電源が喪失し、すべての冷却機能は失われていたと仮定した。(午後3時31分)
燃料より五メートル上にあった冷却水は、三時間後(午後5時46分)に燃料の上端まで低下。五〇〇度を下回っていた炉心の温度は急上昇し始め、さらに約二時間後(午後7時46分)、燃料が溶融する二八〇〇度に達した。この時点では燃料全体が露出し、その後も水位は下がり続けた。
燃料の損傷は、地震発生から4時間50分後の3月11日午後七時半ごろから始まった。間もなく温度が高い燃料の中心部の被覆管が溶け、溶融した燃料が圧力容器の底部へと落下。損傷範囲は周辺部へと広がり、16時間後の12日午前六時五十分ごろには、燃料の大部分が落ちたとみられる。
同日午前5時50分ごろに炉心への真水の注水が始まり、同日午後8時に海水に切り替えて継続。しかし、水位は通常の燃料下端の位置からさらに四メートルほど下回った状態が続いた。圧力容器の底は溶けた燃料で配管の溶接部などが複数破損し、穴が開いている可能性が高い。
圧力容器の水位は低かったが、燃料が底に落ちたため結果的に冷却できたとみられる。東電は現在の燃料の状態について、圧力容器上部の温度が下部より高いことから「燃料の一部は底で水没せずに露出している」とみている。
(東京新聞)
東電の解析によると、燃料の溶融は従来考えられていた以上の速度で進行。外部から冷却水を入れるため、弁を開いて炉内の圧力を下げる「ベント」作業を始めた時には、炉内は既に水位が燃料の下端を下回る「空だき」状態で、燃料の大部分が溶融していたことになる。今後、ベントの作業や外からの注水のタイミングが適切だったかが問われることになりそうだ。【酒造唯、八田浩輔】
東電のこれまでの発表では、福島第1原発で原子炉が空だき状態になったのは2号機(14日)が最初。1号機は、空だきになっていたことすら公表されていなかった。
今回の解析結果が正しければ、1号機の空だき状態は11日午後7時半ごろから、淡水の注入開始(12日午前5時50分ごろ)まで10時間以上続き、ベント開始はさらに5時間近く後になってからだったことになる。
小出裕章・京都大原子炉実験所助教は「電源喪失で原子炉が冷やせなくなれば、早い時期に炉心溶融に至ることは想定できていたはずだ。燃料の損傷が限定的だとしてきた東電の説明は完全に誤っていたことになる。データの公表も遅すぎる」と指摘する。
東電は今回の解析で「圧力容器の損傷は大規模ではない」と説明するが、小出助教は「圧力容器は完全に破損し、溶けた燃料が格納容器の底に穴を開け、原子炉建屋の地下に大量の汚染水が漏れ出す原因になっている」と推定する。
吉川栄和・京都大名誉教授(原子炉安全工学)も「溶融した燃料の一部は格納容器に落ちているだろう」と指摘、東電の解析に否定的な見解を示した。
さらに「燃料は格納容器のクラック(損傷部)から水と一緒に漏れている可能性もある」と述べ、地震の揺れや炉心溶融、水素爆発などさまざまな原因で格納容器が損傷している可能性を指摘した。
工程表への影響について吉川名誉教授は「初めに描いた絵と状況が異なり、収束までの時期は確実に延びるだろう。むき出しの燃料の回収は相当困難な作業になる。廃炉の工程にたどり着くのも難航するだろう」と厳しい見通しを示した。
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毎日新聞 2011年5月16日 東京朝刊
【東京新聞】
【社会】
1号機東電分析 16時間後メルトダウン
2011年5月16日 07時02分
福島第一原発の事故で、東京電力は15日、1号機の燃料損傷は大震災の発生約5時間後から始まり、16時間後には燃料が溶けて底部に落下(メルトダウン)していたとの見方を示した。
震災直後の1号機の原子炉水位や温度から分析。津波による電源喪失で冷却機能を失った圧力容器内では、水位が急激に低下していた。
東電は中央制御室の計算機などから回収した原子炉温度や圧力の記録を基に、震災発生と同時に原子炉が停止した時点からの状態の変化を分析。
震災から45分後の津波により電源が喪失し、すべての冷却機能は失われていたと仮定した。(午後3時31分)
燃料より五メートル上にあった冷却水は、三時間後(午後5時46分)に燃料の上端まで低下。五〇〇度を下回っていた炉心の温度は急上昇し始め、さらに約二時間後(午後7時46分)、燃料が溶融する二八〇〇度に達した。この時点では燃料全体が露出し、その後も水位は下がり続けた。
燃料の損傷は、地震発生から4時間50分後の3月11日午後七時半ごろから始まった。間もなく温度が高い燃料の中心部の被覆管が溶け、溶融した燃料が圧力容器の底部へと落下。損傷範囲は周辺部へと広がり、16時間後の12日午前六時五十分ごろには、燃料の大部分が落ちたとみられる。
同日午前5時50分ごろに炉心への真水の注水が始まり、同日午後8時に海水に切り替えて継続。しかし、水位は通常の燃料下端の位置からさらに四メートルほど下回った状態が続いた。圧力容器の底は溶けた燃料で配管の溶接部などが複数破損し、穴が開いている可能性が高い。
圧力容器の水位は低かったが、燃料が底に落ちたため結果的に冷却できたとみられる。東電は現在の燃料の状態について、圧力容器上部の温度が下部より高いことから「燃料の一部は底で水没せずに露出している」とみている。
(東京新聞)
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