松下政経塾に学ぶ「人間磨き」
議員連合「せんたく」の共同代表に就く〜日本を洗濯する
2008年4月7日
(野田佳彦 衆議院議員)
約260年間続いた徳川幕府の末期は、たった4隻の黒船で右往左往するほど機能不全に陥っていました。そして、政治、経済、社会など、すべての面にゆがみが生じていました。それらを一掃し、新しい国家建設を目指して一群の若者たちが立ち上がりました。
その先頭に立った坂本龍馬が姉に送った手紙に、「日本を洗濯致し申し候」という言葉があることを知ったのは、約10年ほど前です。2期目を目指した衆院選で105票差で敗れ、浪人している最中でした。明治維新とはまさに、命を懸けて国を救おうとした若者たちの純粋な利他の精神が、日本という国の丸洗いを可能にした大事業だったのです。
翻って現在の日本も、幕末同様、国のさまざまなシステムが機能不全に陥り、国の仕組みを根本から変える必要に迫られていると、当時思いました。今もその思いは変わりません。再びいきづまった国をジャブジャブと丸洗いすべきときが来たのです。
「いま一度日本を洗濯致し申し候」、これこそが日本再生のコンセプトだと強く思いました。しかし、今日、「そうろう文」では分かりにくい。懸命に考え抜いた結果、「ニッポンまる洗い」というスローガンを編み出しました。2000年の総選挙では、日本列島をぞうきんでふいているポスターをつくり、8本柱の選挙公約は、新「船中八策」と呼びました。おかげで、国政復帰を果たすことができました。以来、「ニッポンまる洗い」を唱え続けています。
「生活者が主役」の政治を目指す
本年1月、「地域・生活者起点で日本を洗濯(選択)する国民連合」(略称・せんたく)という新しい運動組織が立ち上がりました。北川正恭早稲田大教授(前三重県知事)、佐々木毅前東大総長、茂木友三郎キッコーマン会長などと共に政治改革・分権改革に取り組んできた「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)を母体とするものです。
今日の日本社会の閉塞を直視し、戦後の「お任せ民主主義」「霞ヶ関・官僚主導」を打ち破り、生活者が主役となって、これまでの日本人の「生きかた」「暮らしかた」「働きかた」を根本から問い直す組織です。「地域・生活者起点の日本変革運動」(平成の民権運動)を目指しています。首長、地方議員、学者、経済界や労働界などから多くの皆さんが参加しています。
この「せんたく」の動きに呼応して、超党派の国会議員による「せんたく」議員連合が、3月3日に発足しました。私は、自民党の河村建夫衆院議員とともに、共同代表を務めることになりました。「まる洗い派」を自認してきたので、ご要請があったときにお断りできませんでした。図らずもというか、謀られたというか…。現時点において、与野党合わせて約120人の衆参国会議員が入会しています。
「せんたく」が重視する5つのテーマ
当面は、5つの分科会を設置して、次の総選挙に向けて日本を立て直すための議論をおこしていく方針です。
第1分科会「マニフェスト」 政策本位の政治を実現し国民の「選択」を実りあるものとするため、国民各層と政党政治家が双方向の議論を行い、政策論議を活性化させ、「マニフェスト政治」の進化・発展を目指します。最終的には、「本当に国民に示されるべき政策の選択肢とは何か」を明確にし、来る総選挙を歴史的な「政権選択選挙」にしたいと考えています。
第2分科会「地域主権」
「中央から地方へ」という方向性については、コンセンサスが醸成されています。いま必要なことは、地域社会や住民自治の視点からこれからの日本社会のあり方や分権改革のあり方について具体的に検討を行うことです。現職の知事・市区町村長、地方議会関係者らと地に足のついた議論を深めていくつもりです。
第3分科会「国会改革」
2大政党が衆参両院をそれぞれが支配する「ねじれ国会」という事態に、立ちすくんでいるだけでは国民の期待に応えられません。「大連立」のようなウルトラCに一足飛びに走るのではなく、ねじれを奇貨として国会を真に言論の府として機能させるための改革を検討します。
第4分科会「霞ヶ関改革・政治主導」
省庁による積み上げ式意思決定の追認機関と化している内閣の姿を改革し、内閣を国民意思に支えられた政治の側に取り戻すことを目指します。そして、政治主導の下で諸々の改革を縦横に進めることができるようにするための方策を検討します。
第5分科会「地球環境」
地球温暖化など環境問題はこれ以上放置することのできないぎりぎりの段階を迎えています。7月の北海道・洞爺湖サミットの主要議題でもあります。国、地域、企業、国民それぞれが一体何をなすべきなのか、衆知を集めて検討します。
今こそ、日本をジャブジャブと洗濯するための先頭に立つ決意です。
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